エーザイは11日、痛風・高尿酸血症治療剤「URECE」(中国製品名「优乐思)について、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より「高尿酸血症に伴う痛風」の適応で、承認を取得したと発表した。
同本承認は、同社が中国で実施した、多施設共同、実薬対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化臨床第Ⅲ相試験の結果に基づくもの。同試験では451人の痛風患者様が、ドチヌラド群または対照薬のフェブキソスタット群に 1:1 の割合で無作為に割り付けられた。
同試験の主要評価項目である24週時点の血清尿酸値が6.0mg/dL以下の被験者の割合は、ドチヌラド群で 73.6%[95%信頼区間(CI):67.8、79.5]、フェブキソスタットで 38.1%[95%CI:31.6、44.5]となり、ドチヌラド 4mg のフェブキソスタット 40mgに対する統計学的優越性が確認された(割合の差 35.87%[95%CI:27.36、44.37、p<0.001])。
最も一般的な有害事象は、ドチヌラド群では痛風性関節炎、COVID-19、肝機能異常、フェブキソスタット群では痛風性関節炎、COVID-19、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加で、ドチヌラドの新たな安全性上の懸念は確認されなかった。
同剤は、富士薬品が創出した新規の痛風・高尿酸血症治療剤である。腎臓での尿酸再吸収に関与するトランスポーター(URAT1)を選択的に阻害することにより、尿酸の再吸収を抑制し、血中尿酸値を低下させる。エーザイは、富士薬品とのライセンス契約により中国、ASEAN 5 カ国(インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ)における独占的開発権・販売権を有している。
タイにおいては、2024 年 9 月に「痛風、高尿酸血症」の適応で承認を取得している。日本国内では、2020年1月に富士薬品が製造販売承認を取得し、同年5月から販売している。
中国における現在の痛風患者様は約1600万人と推定されている。これらの患者様の数は、社会経済の発展に伴う生活習慣や食嗜好の変化等に伴い、今後もさらに増加することが予想されている。