早期アルツハイマー病治療剤レカネマブ 欧州医薬品委員会が否定的見解から一転して承認勧告 エーザイ

 エーザイは15日、早期アルツハイマー病治療剤「レカネマブ」について、欧州医薬品委員会(CHMP)より承認勧告を受領したと発表した。対象は、ApoEε4ステータスが非保有またはヘテロ接合体である成人におけるアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症の治療。
 CHMPは、本年7月、同剤の承認に否定的な見解を採択していたが、これに対しエーザイは再審議(re-examination)を請求し、一転して今回の承認勧告を受領したもの。
 今後、CHMPの新薬承認プロセスに従い、欧州委員会(European Commission)は、同承認勧告に基づくレカネマブの最終的な販売承認の決定を67日以内に行う。
 レカネマブは、ADにおける可溶性Aβ凝集体(プロトフィブリル)に選択的に結合するとともに、Aβプラークの主要構成成分である不溶性Aβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内のAβプロトフィブリルおよびAβプラークを減少させると考えられている。
 欧州におけるAD当事者数は690万人と推定されており、AD当事者数は、今後高齢化の進展に伴って増加し、2050年までに約2倍になると考えられている。ADは、時間の経過とともに段階的に進行して重症度が増し、AD当事者様と介護者の皆様にそれぞれ困難をもたらすため、早期ADの進行を遅らせ、AD当事者様と社会の全体的な負担を軽減する新しい治療オプションに対する大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在する。
 エーザイは、同剤の開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。

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