衆院選落選の渡嘉敷氏 大阪府薬連盟として何らかの形で応援 大阪府薬乾会長

乾氏

 大阪府薬剤師会は6日、定例記者会見を開き、乾英夫会長が10月27日に実施された第50回衆議院議員総選挙結果に言及。「本会会員で大阪府薬剤師連盟相談役の渡嘉敷奈緒美氏の国政復帰が叶わなかったのは痛恨の極みである」と言葉を振り絞り、「渡嘉敷氏は選挙結果が判った開票日当日に、『次を目指して頑張りたい』とコメントされた。まだ、具体的に何も決まっていないが、大阪府薬剤師連盟としてなんらかの形で応援していく」考えを示した。
 また、10月1日からスタートした長期収載品の選定療養については、「国・行政による十分な通知は成されていなかったものの、各薬局の薬剤師が前以て対象患者さんに対して説明しいたため大きな混乱はない」と説明。
 その上で、「これまで後発品の使用促進が進んできたが、長期収載品の選定療養によって患者さんの自己負担が別途掛かるということで後発品に替える切っ掛けになっている」と報告した。
 乾氏は、12月からのマイナンバーカードの保険証への切り替えにも触れ、「薬局で患者さんに説明を行っているが、通常業務に加えて新たな負担になっている」と述べた。
 地域フォーミュラリ実施状況では、「2024年度は前年度から実施している堺市に加えて守口市が追加された」と説明。さらに、「八尾市、高槻市、大阪市天王寺区については、今年度中に医師の処方箋発行を元に‟地域フォーミュラリの活用状況に係るアンケート調査を実施する」ことも併せて報告した。
 先般行われた第50回衆議院議員総選挙では、与党の自民党が大きく議席を減らし、渡嘉敷氏の国政復帰も叶わなかった。日本薬剤師連盟では、薬剤師候補の松本純氏(神奈川1区)と渡嘉敷氏(大阪7区)を最重点候補者として支援し、選挙期間中には同連盟役員らが二人の選挙事務所に入り応援活動を繰り広げた。
 乾氏は、「渡嘉敷先生は途中まで善戦していたが、選挙期間終盤の24日に各メディアが‟自民党が非公認の支部に2000万円の活動資金を拠出した”と報道し、一気に局面が変わって完敗した」と振り返り、「比例復活もできなかった。吹田、摂津の薬剤師連盟の先生方には、大変ご協力いただいた。大阪府薬剤師連盟の会長として申し訳ない。」と頭を下げた。
 渡嘉敷氏の今後については、「まだ具体的には決まっていない」とした上で、「選挙結果が出た当日、『次を目指して頑張る』とコメントされているので、大阪府薬剤師連盟では何らかの形で応援していく」意向を示した。
 道明雅代大阪府薬剤師連盟幹事長も「やはり薬剤師の仲間なので、選挙活動を続けて行かれることに関しては応援していきたい」と述べた。
 長期収載品の選定療養は、先発品の長期収載品と薬価が最も高い後発品との差額の1/4を選定療養として保険適用外とし、患者に負担を求めるもの。
 現在も後発品が安定供給されていないため、「薬局に後発品が無い場合は、選定療養の対象とならず、薬局の都合で患者の負担はゼロになる」ことが大きな課題となっている。
 宮田憲一副会長は「入って来る医薬品と入って来ない医薬品の差がある。後発品の無いものは、先発品を使っても選定要領から外し一部負担金は貰わないことを薬局薬剤師の範疇で決めている」と説明した。
 乾氏も、「医薬品がある薬局、無い薬局の偏りが物凄く大きい。各薬局は、医薬品の需給に毎日、毎日辛い思いをしている。通常の調剤は勿論、長期収載品の選定療養においても、後発品の安定供給は必要不可欠である」と強調。加えて、2年前から大阪府薬が実施している「医薬品の流通状況のアンケート調査」の中に、「長期収載品の選定療養実施状況を織り込む」予定を示唆した。

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