加齢黄斑変性治療薬 「avacincaptad pegol」 欧州で販売承認申請取り下げ アステラス製薬

 アステラス製薬は28日、地図状萎縮(GA)を伴う加齢黄斑変性(AMD)治療薬として開発中の補体因子C5阻害剤「avacincaptad pegol(ACP)」について、欧州医薬品庁(EMA)に提出していた販売承認申請を取り下げる決定をしたと発表した。同決定はEMAの欧州医薬品委員会(CHMP)との議論の結果に基くもの。
 アステラス製薬は、ACPがGA病変の進行速度を抑制した試験結果は臨床的に意義のある治療効果を示しており、その便益がリスクを上回るとの認識を変えていない。同社は、「ACPの臨床プロファイルに引き続き自信を持っており、GA病変の進行速度を抑制する効果が、患者にとって便益がある」としている。
 現在、米国以外の国ではGAを伴うAMDに対して承認された治療法がない。アステラス製薬は、欧州を含む世界中の患者にACPを届けるため、各国の規制当局と議論を継続し、利用可能な選択肢を検討していく。
 なお、同件によるアステラス製薬の通期(2025年3月期)連結業績への影響は精査中である。

◆Marci Englishアステラス製薬Vice President, Head of BioPharma & Ophthalmology Developmentのコメント
 アステラス製薬は、ACPの臨床プロファイルと、ACPが疾患の進行速度を抑制することで患者さんに利益をもたらす可能性に、自信を持っている。
 GAは、進行性の重篤な疾患であり、不可逆な視覚障害や失明をもたらす可能性がある。GAに関する科学的知見と理解が深まる中、アステラス製薬を含め製薬企業は、GA患者に新たな治療選択肢を提供するために最先端の取り組みを進めている。
 我々は、CHMPの対応に失望しているが、ACPが米国の患者さんに大きな変化をもたらしていることを目の当たりにしており、米国および世界中のアンメットメディカルニーズを満たすために引き続き尽力する。

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