大日本住友製薬は24日、医薬基盤・健康・栄養研究所(茨木市、理事長:米田 悦啓氏)と万能インフルエンザワクチンの共同研究契約締結を締結したと発表した。契約締結は、殆どのインフルエンザウイルスに対し幅広い効力を持つインフルエンザワクチン(ユニバーサルインフルエンザワクチン)の実用化を目的としたもの。
毎年、全世界で300~500万人が季節性インフルエンザ感染により重症化し、29~65 万人が死亡している(出典「Lancet 2018」)。従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため毎年流行株にあったワクチン株の選定・製造・接種が必要で、新型インフルエンザに対応することは困難であった。
従って、季節性インフルエンザに対する幅広く持続的な効果を持ち、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザにも対応できるユニバーサルインフルエンザワクチンの実用化が求められている。
同共同研究は、大日本住友製薬が所有するTLR7アジュバント(DSP-0546LP)添加ワクチン製剤を用いて、医薬健栄研が次世代型フローサイトメーター等の最先端技術を活用した免疫解析法の開発や臨床バイオマーキングを行い、大日本住友製薬が非臨床試験・臨床試験を実施する。
両者は、同共同研究を通じて、季節性だけでなくパンデミックインフルエンザを含む様々な亜型に対して効果を示す画期的な次世代型ワクチンの創製を目指す。
なお、同共同研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の2019 年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE):第 4 回公募」において「一般型研究開発タイプ」に採択されている。(課題名「万能インフルエンザワクチンの研究開発」、代表機関名:大日本住友製薬)