リンヴォック 12歳以上のアトピー性皮膚炎治療における用法・用量の適応追加承認取得 アッヴィ

 アッヴィは24日、リンヴォックについて、既存治療で効果不十分な12歳以上のアトピー性皮膚炎小児患者さんに対する1日1回投与の用法・用量について承認事項一部変更承認を取得したと発表した。同承認により、12 歳以上かつ体重 30kg 以上の小児に対し、リンヴォック15mgに加え「リンヴォック30mg 1 日1 回経口投与」が可能となる。
 リンヴォックは1 日 1 回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、アトピー性皮膚炎を含む7つの適応症に対する治療薬として承認を取得している。リンヴォックは 2021 年 8 月に、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能・効果として製造販売承認を取得している。
 アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患である。かゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴である。広範囲におよぶ皮疹や強いかゆみによって睡眠障害や抑うつ症状等が現れることもあり、患者のQOL低下や社会生活に影響を及ぼす場合がある。
 アトピー性皮膚炎の主な症状はそう痒症(皮膚に発疹など目立った症状がなく、かゆみを感じる病気)である。アトピー性皮膚炎は顕著なかゆみを伴うことが多く、患者全体の60%、症状が増悪した患者の83%に睡眠障害が認められている。かゆみ等のアトピー性皮膚炎の症状による睡眠障害は、小児アトピー性皮膚炎患者の成長に影響を及ぼすと考えられている。
 近年、中等症以上のアトピー性皮膚炎に対する治療として、成人のアトピー性皮膚炎患者に対しては、さまざまな治療選択肢が増えている。一方で、中等症以上の小児アトピー性皮膚炎患者に対する治療薬はいまだ限定されているのが現状だ。同承認により、小児アトピー性皮膚炎患者に対しても「30mg1日 1 回経口投与」という新たな治療選択肢の提供が可能となる。
 同承認事項一部変更承認の取得は中等症から重症の成人および青少年アトピー性皮膚炎患者を対象とした、国内P3試験(M17-377 試験)のほか、2つの国際共同P3試験(M16-045 試験および M16-047 試験)の結果に基づいている。

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