ベルズチファン フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍治療薬で日本国内で承認申請 MSD

 MSDは17日、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤ベルズチファンについて、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に関連する腫瘍の治療薬として、日本国内製造販売承認申請を行ったと発表した。
 VHL病は、VHL遺伝子の変異によって腫瘍が引き起こされる難治性の希少疾患で、日本の推定患者数は600~1000人である。発生する主な腫瘍は、中枢神経系(小脳、延髄、脊髄)血管芽腫、網膜血管腫、腎細胞がん(RCC)、腎嚢胞、褐色細胞腫、膵神経内分泌腫瘍、膵嚢胞、精巣上体嚢胞腺腫、子宮広間膜嚢胞腺腫、内リンパ嚢腫瘍で、いずれも若年で発症し、複数の部位に同時に発生する(多発性)、生涯にわたって発症を繰り返す(再発性)という特徴がある。
 腫瘍の発生部位によって、多血症、高血圧、視力障害、運動障害、膀胱直腸障害、腎不全、不妊症などの合併症が現れる場合がある。治療方法には腫瘍の摘出手術や放射線治療などがあるが、手術の侵襲に伴う障害が発生する場合や頻回の手術が必要になるケースがあるなど、患者のQOLへの影響は大きく、新たな治療法が望まれている。
 ベルズチファンは、本年2月9日に、「予定される効能又は効果:フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病関連の腫瘍性病変」として厚生労働省より開発中の希少疾病用医薬品の指定を受けている。

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