第一三共は9日、イフィナタマブ デルクステカン(I-DXd/DS-7300、抗B7-H3抗体薬物複合体[ADC])について、前治療歴のある進展型小細胞肺がんを対象としたグローバルP2試験(IDeate-Lung01試験)の中間解析データで好結果を得たと発表した。同結果は、世界肺がん学会(WCLC2024)で発表された。
I Deate-Lung01試験は、2つの投与量における同剤の有効性および安全性を評価する至適用量検討パートと、推奨用量における同剤の有効性および安全性をさらに評価する登録拡大パートからなる。
今回のWCLCでデータ発表を行った至適用量検討パートの結果に基づき、同試験の登録拡大パートおよび、現在進行中の再発小細胞肺がん患者を対象としたP3試験(IDeate-Lung02試験)における同剤の投与量として、12 mg/kgが選択された。
有効性について、至適用量検討パートの同剤12 mg/kg投与群42名において、主要評価項目である客観的奏効率は54.8%(完全奏効 0名、部分奏効23名)であった。副次評価項目である奏効期間の中央値は4.2ヵ月、病勢コントロール率は90.5%、無増悪生存期間の中央値は5.5ヵ月、全生存期間の中央値は11.8ヵ月であった。
また、サブグループ解析では、試験開始時点で頭蓋内に標的病変を有する患者(12 mg/kg投与群)10名において、頭蓋内病変の客観的奏効率は50.0%(完全奏効2名、部分奏効3名)であった。
安全性については、新たな懸念は認められず、同剤の他試験と同様の傾向であった。同剤12 mg/kg投与群42名において、グレード3以上の有害事象は50.0%に認められた。
間質性肺疾患(ILD)については、5名がILD外部判定委員会により同剤と関連のあるILDと判定された。このうち4名が低グレード(グレード1および2)であり、グレード3は1名に認められた。グレード5(死亡)のILDは認められなかった。
第一三共は、同試験データに基づき、現在進行中の再発小細胞肺がんを対象としたP3試験(IDeate-Lung02)を含め、同剤の開発を加速させていく。