第一三共は19日、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd/DS-8201、抗HER2抗体薬物複合体[ADC])について、米国FDAより化学療法未治療のHER2低発現またはHER2超低発現の乳がんに対して「画期的治療薬」指定されたと発表した。
対象は、化学療法未治療のホルモン受容体(HR)陽性かつHER2低発現(IHC 1+またはIHC 2+/ISH-)またはHER2超低発現(IHC>0<1+)の転移再発乳がん治療。
今回の「画期的治療薬」指定は、本年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2024)で発表されたHR陽性かつHER2低発現(HER2超低発現を含む)の化学療法未治療の転移再発乳がん患者を対象としたグローバルP3試験(DESTINY-Breast06)の結果に基づくもの。
今回の指定により、同剤の「画期的治療薬」指定は8つとなった。乳がんにおいては、HER2陽性の再発・転移性乳がんの三次治療、HER2陽性の再発・転移性乳がんの二次治療、化学療法既治療のHER2低発現の再発・転移性乳がん治療に続いて4つ目の指定となる。
その他、HER2陽性の再発・転移性胃がん治療、HER2遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん治療、HER2陽性の切除不能な進行・再発大腸がん治療および前治療歴のあるHER2陽性(IHC3+)の転移性固形がん(胆道がん、膀胱がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、膵臓がんおよび希少がん)治療を対象に指定を受けている。
第一三共は、化学療法未治療のHR陽性かつHER2低発現またはHER2超低発現乳がんに対して同剤を速やかに提供できるよう各国・地域での承認申請手続を進めている。