エーザイは29日、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)が、ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、同剤の早期アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度認知症に係る販売承認申請(MAA)に対して否定的見解を採択したと発表した。
同社は、今回の CHMP の見解に対して再審議(re-examination)の請求を行い、当局との協力のもと、欧州連合(EU)諸国の早期AD 当事者様に一日も早くレカネマブを供給できるように尽力する。
同剤はすでに、米国、日本、中国、韓国、香港、イスラエルで承認を取得し、米国、日本、中国で発売している。欧州における認知症の当事者数は690万人と推定されている。AD当事者数は、今後も高齢化の進展に伴って増加し、2050 年までに約2倍になると考えられている。
エーザイは、同剤の開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。
◆Lynn Kramerエーザイチーフクリニカルオフィサー(M.D.)のコメント
今回の CHMPによる否定的見解は極めて残念であり、多くのアルツハイマー病のコミュニティにおいて大きな失望をもって受け止められている。アルツハイマー病は、不可逆的な神経変性疾患であり、当事者に加えて、介護者、そして社会にとっても大きな課題となっている。
アルツハイマー病の根本原因を標的とする革新的な治療薬に対するアンメットニーズは極めて高く、我々は早期アルツハイマー病の当事者やそのご家族に有意義な変化をもたらすことに引き続き注力していく。