7月18日に「自閉スペクトラム症につながる脳発達過程を理解する」で第3回都医学研都民講座 東京都医学総合研究所

 東京都医学総合研究所 は、 7月18日に一般の方向け講演会として第3回都民講座「自閉スペクトラム症につながる脳発達過程を理解する」をハイブリッド形式(会場+オンライン配信)で開催する。参加費は無料で、参加定員は600名(都医学研講堂:100名、オンライン:500名 事前申込、先着順)。
 講師は、東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構特任教授の長井志江氏と、群馬大学大学院医学系研究科 遺伝発達行動学講座主任・教授の三好悟一氏。同研究所の隈元拓馬 主席研究員とともに講演する。講演要旨、参加方法は次の通り。

【講演要旨】
◆「脳の予測情報処理に基づく認知発達と発達障害」=東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構 特任教授 長井志江氏
 近年、脳の機能を統一的に説明する理論として「予測情報処理」が注目を集めている。脳は感覚器からのボトムアップな感覚信号と、意図や信念に基づく内部モデルからのトップダウンな予測信号を統合し、予測誤差を最小化するように知覚や運動を生成すると考えられている。
 同講演では、予測情報処理理論を構成的アプローチから検証した研究を紹介する。感覚運動経験を通した内部モデルの獲得と感覚・予測信号の精緻化が、認知機能の発達を導き、身体性に基づく多感覚信号の統合が社会的能力を創発させ、さらに、予測情報処理の変調が発達障害などの神経多様性を生じることを、神経回路モデルとロボットを用いた実験により示す。

◆「自閉スペクトラム症につながる脳発達過程を理解する」=群馬大学大学院医学系研究科遺伝発達行動学講座主任・教授 三好悟一氏
 自閉スペクトラム症(ASD)はクラスに1人程度の頻度で発症し、社会的コミュニケーションが困難で強いこだわりやくり返し行動がみられる発達障害である。近年のモデル動物を用いた研究では成体での解析が多く、幼児発達期における発症のタイミングやメカニズムを理解する試みは数少ない現状だ。
 三好氏らのグループでは、新たにモデルマウスを作製し、生後2週目の1週間がその後の発症を左右する臨界期であることを発見した。臨界期にモデルマウスの抑制回路に介入すると、自閉スペクトラム症の重要な指標である社会性行動異常をより悪化させ、逆に治療回復することもできることを解明した。

【参加方法】

◆会場で聴講する人:往復はがき又はメールで申し込む。
 往復はがきには、住所、氏名(フリガナ)、電話番号、複数名希望の場合は同伴者氏名及び「第2回都民講座(対面式希望)」を、返信用はがき表面にも郵便番号・住所・氏名を必ず記入すること。
 メールは、件名を「第2回都民講座(対面式希望)」とし、氏名(フリガナ)、電話番号及び複数名希望の場合は同伴者氏名を記入の上、申込専用アドレス(tomin@igakuken.or.jp)ま申し込む。

◆オンライン視聴の人:ホームページ(https://www.igakuken.or.jp/public/tomin/2024/tomin02.html)の登録フォームより申し込む。

◆締切:7月11日(木曜日)(往復はがき:必着、メール:必着) 

   

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