小野薬品は25日、オプジーボの新しい投与経路である皮下注について、欧州医薬品庁(EMA)が申請受理したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が申請したもので、BMSが21日に公表した。
これには、オプジーボ単剤療法、オプジーボとヤーボイの併用療法後のオプジーボ単剤維持療法、およびオプジーボと化学療法またはカボザンチニブとの併用療法で、これまでに承認されている成人固形がんの適応症に対して、新しい製剤組成(注射液)と新しい含量(600 mg/バイアル)が含まれている。このEMAの申請受理により、申請資料の提出が完了し、EMAによる中央審査が開始される。
同申請は、オプジーボ点滴静注製剤と比較評価して、薬物動態と有効性におけるオプジーボの皮下注製剤の非劣性を示した最初のP3試験(CheckMate-67T試験)の結果に基づくもの。
CheckMate-67T試験において、全身療法による治療歴を有する進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者を対象に、オプジーボの皮下注が、同試験の主要評価項目であるCavgd28(初回投与後28日目までのオプジーボの平均血清中濃度)およびCminss(定常状態における最低血清中濃度)においてオプジーボ点滴静注に対する非劣性を示した。
また、オプジーボの皮下注は、主要な副次評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)においてオプジーボ点滴静注に対する非劣性も示した。
オプジーボの皮下注の安全性プロファイルは、オプジーボ点滴静注のものと一貫していた。CheckMate -67T試験における薬物動態、有効性および安全性の結果は、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)泌尿器がんシンポジウム で発表された。
◆Susan Parker BMSバイスプレジデント兼製品デザイン・開発部門グローバルプログラム責任者のコメント
オプジーボの皮下注は、がん患者さんに対するオプジーボ治療法を変え、3~5分で1回の皮下注を行うことで投与時間を大幅に短縮する可能性がある。
オプジーボ点滴静注と同等の質の高いケアを僅かな時間で患者さんに提供することで、患者さんは点滴処置室で長い待ち時間を過ごすのではなく、ご自身にとって大切なことに時間を使っていただくことができる。
当社は、患者さんの体験を向上させる医薬品の開発に注力しており、幅広いポートフォリオにわたって革新的な製剤の開発に取り組んでいる。オプジーボの皮下注による治療選択肢を提供することを目標に、EMAと協働してこの申請の協議を進めていきたい。