MSDは12日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」と化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法について、進行または再発の子宮体がんに対する一次療法における適応追加申請を厚労省に行ったと発表した。
子宮体がんは子宮体部にできるがんで、その殆どが子宮内膜から発生することから子宮内膜がんとも呼ばれている。日本では、2019年には約1.8万人が子宮体がんと診断され、2022年には約2800人が亡くなっている。
自覚症状は、不正出血が最も多く、進行すると下腹部の痛みや性交時の痛み、腰痛や下肢のむくみなどの症状が現れる場合もある。子宮体がんは、がんが子宮に留まっている範囲で発見できれば比較的予後が良いと言われているが、進行または再発した場合の治療法は限定的であり、新たな選択肢が求められている。
今回の適応追加申請は、多施設共同無作為化二重盲検P3試験(KEYNOTE-868/NRG-GY018試験)のデータに基づくもの。同試験において、ミスマッチ修復機構(MMR)の状態にかかわらないIII/IV期または再発の子宮体がんに対する一次治療として、キイトルーダと化学療法(カルボプラチンおよびパクリタキセル)の併用療法およびその後のキイトルーダ単独療法は、主要評価項目であるMMRが正常な(pMMR)集団およびMMRが欠損している(dMMR)集団における無増悪生存期間(PFS)について、対照群のプラセボと化学療法との併用療法およびその後のプラセボ投与に対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示した。
なお、同試験における同併用療法の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していた。