アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン眼瞼クリーム」 日本で製造販売承認取得 参天製薬

 参天製薬は26日、持続性・経眼瞼アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン眼瞼クリーム」(エピナスチン塩酸塩)について、同日付で日本における製造販売承認を取得したと発表した。
 同剤は、は、1 日 1 回眼周囲(上下眼瞼)へ塗布するクリームタイプの製剤で、アレルギー性結膜炎治療剤では、世界で初めての剤形である。
 アレルギー性結膜炎の治療においては、抗アレルギー点眼薬(メディエーター遊離抑制薬およびヒスタミン H1 受容体拮抗薬)が多く使われているが、それらは 1 日 2 回または 4 回の点眼が必要である。
 同剤は、1日1回、眼瞼皮膚に塗布することで、有効成分であるエピナスチン塩酸塩が眼瞼を透過して結膜で持続的に作用する。患者の点眼の負担解消が期待でき、また、小児など自身での点眼動作が難しく、介助が必要な患者においても適用しやすい剤形だ。
 患者の負担が軽減されることで、用法遵守が期待でき、目のかゆみの発生頻度を抑え、QOLの向上につながると考えられる。
 エピナスチン塩酸塩は、1975年にベーリンガーインゲルハイム社により創製され、ヒスタミン H1 受容体拮抗作用と肥満細胞からのヒスタミンなどのメディエーター遊離抑制作用の 2 つの作用を有し、アレルギー性結膜炎に治療効果を発揮する。
 同剤の有効性については、国内で無症状期のアレルギー性結膜炎患者を対象として行われたP3試験(結膜抗原誘発試験)(プラセボ対照無作為化二重遮蔽試験)で、アレルギー性結膜炎の主症状である眼そう痒感スコアおよび結膜充血スコアにおいて、同剤のプラセボ眼瞼クリームに対する優越性が検証された。
 また、P3相長期投与試験において認められた副作用は、眼瞼そう痒症1.6%(2/124 例)および眼瞼紅斑0.8%(1/124 例)で、重篤な副作用は認められなかった。
 アレルギー性結膜炎は、目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して、結膜に炎症を起こす疾患だ。花粉などが原因の、特定の季節にのみ症状があらわれるものを季節性アレルギー性結膜炎といい、一年中症状がみられるものは、通年性アレルギー性結膜炎という。
 2017年の日本眼科アレルギー研究会(現、日本眼科アレルギー学会)が実施した有病率調査によると、国内のアレルギー性結膜疾患の有病率は48.7%であり、有病率は近年増加している。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント
 日本においても数多くの患者さんが、強い眼そう痒感や充血などのアレルギー性結膜炎の症状やQOLの低下に悩んでいる。この承認により、1日1回の投与で終日にわたり有効性を維持できる今までにない剤形のアレルギー性結膜炎の治療選択肢を、患者さんや医療従事者にどこよりも早く提供できることを大変誇りに思う。

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