大阪府薬のモバイルファーマシーが能登半島地震被災地に出動

左から有澤氏、乾氏、一人おいて山原氏。モバイルファーマシーの出動に当たって乾会長があいさつ。

 大阪府薬剤師会のモバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)が17日、能登半島地震被災地の輪島市門前町に向けて大阪市内の府薬会館を出発した。
 15日に日本薬剤師会から出動要請を受けたもので、1月末まで被災地で災害時処方箋を応需する。モバイルファーマシーとともに、大阪府薬から第4陣となる支援薬剤師として山原大輝理事、有澤幸大氏が派遣された。山原氏は19日、有澤氏は21日まで現地で任務に就く。被災地で供給する医療用医薬品は、石川県薬剤師会から受け取る。
 全国からの支援薬剤師の派遣は、日本薬剤師会の災害対策本部のスキームに従って実施されている。石川県珠洲市、輪島市、穴水町、宇出津町の4つの地域に災害拠点が設置されており、現在、全国から派遣された約10台のモバイルファーマシーが各被災地で活動している。
 日薬から派遣された支援薬剤師は、薬局機能を搭載したモバイルファーマシーでの災害処方箋応需に加えて、避難所でのOTCおよび衛生材料の供給、環境衛生の指導などを行っている。

出動に当たって「災害時調剤支援車」、「大阪府薬剤師会」の看板が取り付けられた大阪府薬のモバイルファーマシー

 大阪府薬のモバイルファーマシーは、ユヤマが所有する業務車両(日野デュトロ、3tトラック)を府薬が被災地で行う災害時調剤支援車として無償で借り受けるもの。2018年に完備され、今回が初めての被災地出動となる。
 庫内のスペースは、全長約4m60cm、全幅約2m、全高2m10cm。車両内には、医薬品を設置するスチールトラック5台、作業台、OAデスク、電子天秤2台、小型分包機、作業台、スクリーンパーテーション、エアコン、ポータブルトイレ等が装備されている。

医薬品を設置するスチールラックや小型分包機などを装備した車両内。後部ドアは設備の取り出しが可能。車両に乗り込んだ山原氏。

 モバイルファーマシーの出陣に当たって乾英夫大阪府薬会長は、「奇しくも17日は、阪神淡路大震災からちょうど29年目に当たる。被災地に一日も早く健康な生活が戻り、安全・安心に繋がるようにるように支援薬剤師は心を一つにしてしっかりと活動してほしい」とあいあつした。
 

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