アベクマ CAR T 細胞療法として日本初の多発性骨髄腫早期治療ラインで適応追加承認取得 ブリストル・マイヤーズ スクイブ

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は6日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする「アベクマ」について、CAR T 細胞療法として日本で初めて再発又は難治性の多発性骨髄腫の早期治療ラインでの使用に対する適応追加承認を取得したと発表した。
 対象は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む2 つ以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫。
 アベクマは、ファースト・イン・クラスのBCMA を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T 細胞免疫療法である。アベクマが多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR T 細胞が増殖することによりサイトカインを放出し、結果として BCMA 発現細胞が融解・殺傷される。
 今回の承認は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗 CD38 モノクローナル抗体製剤のダラツムマブを含む2から4レジメンの前治療歴を有する再発及び難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、アベクマの有効性および安全性を検討する国際共同P3相 KarMMa-3 試験(BB2121-MM-003 試験)の中間解析結果にもとづいている。
 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、アベクマ群で13.3ヵ月、標準療法群で4.4ヵ月であり、アベクマ群では標準療法群と比較して統計学的に有意で臨床的に意義のあるPFSの延長が認められ、病勢進行又は死亡のリスクを51%低下させた[ハザード比= 0.493(95.0% CI:0.377~0.645)、p < 0. 0001(層別ログランク検定)]。
 主な副次評価項目である全奏効割合(ORR)についても、アベクマ群で71.3%、標準療法群で41.7%であり、事前に規定された階層的検定によりアベクマ群では標準療法群と比較して統計学的に有意な改善が認められた[オッズ比=3.54(95.0% CI:2.26~5.54)、p<0.0001(層別 Cochran-Mantel-Haenszel 検定)]。
 また、同試験において、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤およびダラツムマブを含む2から4レジメンの前治療歴を有する再発及び難治性の多発性骨髄腫患者において、アベクマの新たな安全性シグナルは認められなかった。
 PFSの最終解析および中間全生存期間解析を含むP3相KarMMa-3試験結果は、9日~12 日にカリフォルニア州サンディエゴで開催される第65回米国血液学会年次総会・展示会で発表される。

◆杉田真BMS研究開発本部長のコメント
 多発性骨髄腫は既存の治療法では治癒が困難な再発を繰り返す難治性の疾患である。再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんの治療選択肢は限られており、CAR T細胞療法であるアベクマがこのような患者さんのアンメット・ニーズに対応する治療選択肢として、より早期治療ラインでの使用を初めて認められたことを嬉しく思う。
 弊社では、今後も深刻な病気を抱える患者さんの人生に違いをもたらすために、革新的な治療法の研究開発に注力していく。

タイトルとURLをコピーしました