辻村明広三菱ケミカルグループ執行役エグゼクティブバイスプレジデントファーマ所管(田辺三菱製薬代表取締役)は2日、三菱ケミカルグループ2024年3月期第1四半期決算説明会で、田辺三菱製薬の米国事業に言及し、「パイプラインの内容の見直しと積極的な開発の加速化などを含めて米国事業を成長させていきたい」と断言した。
さらに、「米国ビジネスの成長が田辺三菱製薬全体の成長を促し、三菱ケミカルグループの新経営方針である‟Forging the future未来を拓く”の目的を達成したい」と決意表明した。
辻村氏は米国ビジネスについて、まず、「今のポジションに就任して4カ月経過したが、米国でのラジカヴァ経口剤(ALS治療薬)売上が非常に好調で、この薬剤の最大化を継続しく」考えを強調した。
ラジカヴァに続く米国進出のための新製品候補の、「MT-7117」(赤芽球性プロトポルフィリン症とX連鎖性プロトポルフィリン症P3)についても、「P3試験でセカンダリー項目は達成したが、プライマリーエンドポイントは未達であった」と報告。その上で、「現在、FDAと協議しており、追加の臨床試験を計画している。MT-7117は、2026年中の承認取得を目指している」と明かした。
また、本年4月18日に発売した世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」の一部企画限定出荷による国内事業全体に対する影響についても、「非常に少なく、限られている」と断言。
限定出荷解除の見通しにも触れ、「できる限り早く通常通りの出荷ができるように尽力している」と語った。