MSDは26日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」について、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の適応追加承認を取得したと発表した。
今回の承認は、海外P2相試験であるKEYNOTE-170試験および国内P1相試験であるKEYNOTE-A33試験の良好な結果に基づくもの。
また、添付文書の「17.臨床成績」の項に、古典的ホジキンリンパ腫に関する国際共同P3試験(KEYNOTE-204試験)の新たな臨床成績を追加ししたことも明らかにした。
悪性リンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球ががん化する血液のがんである。原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)は悪性リンパ腫の一種で、リンパ球のなかでも胸腺B細胞ががん化したもので、希少で進行が速い疾患である。悪性リンパ腫は、組織学的にホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されるが、約90%以上が非ホジキンリンパ腫で、海外ではPMBCLが非ホジキンリンパ腫の2~4%を占めている。
多くの場合、若年成人に発症し、診断時の年齢の中央値は35歳である。海外のデータでは、化学療法による一次治療で治癒しないPMBCL患者の割合は10~20%で、一次治療後の再発または難治性の患者には自家造血幹細胞移植が有効である場合があるが、総じて予後は不良であり、新たな治療の選択肢が望まれていた。