東和薬品とバンダイナムコ研究所は21日、服薬支援ツールの開発に向けた基本合意書を締結したと発表した。基本合意の締結は、患者の服薬アドヒアランス向上と残薬の解消を目的としたもの。
近年、残薬は薬の適正使用や医療費の観点から社会問題のひとつとされており、残薬の金額は年間約500億円に上るとと言われている。残薬の理由では、67%が「飲み忘れが積み重なった」と回答しており、患者が意図せず服薬を忘れてしまうことが大きな要因となっている。
薬は、適切に服用されていないと十分な治療効果が得られず、治療期間が延長してしまうケースがあり、また手元に飲み忘れた薬があれば、他剤との飲み間違いなどの原因にもなる。
東和薬品とバンダイナムコ研究所は、患者の服薬アドヒアランス向上と、それによる残薬の解消といった医療経済課題への貢献のため、ゲームメソッドを取り入れた服薬支援ツールの提供を目指して共同開発を実施する。
東和薬品は、服薬支援ツールの立案をおこない、バンダイナムコ研究所はツール内のコンテンツやソフトウェアの企画・開発を担当する。また、服薬情報を管理するプラットフォームの構築及び服薬支援ツールを用いたサービス企画を、東和薬品グループのTスクエアソリューションズが実施する。
東和薬品は、中期経営計画2018-2020「PROACTIVE」で、人々の健康に貢献する健康関連産業における新規事業の創出を掲げている。2018年10月にはTスクエアソリューションズを立ち上げ、IT分野から健康関連産業への貢献も目指しており、その一環として今回の服薬支援ツールを開発する。
一方、バンダイナムコ研究所は、最先端技術の研究開発とエンターテインメントの研究開発ノウハウを起点とするエンターテインメント イノベーション企業。ゲーム制作では、ゲームそのものの「楽しさ」はもとより、「持続性」や「達成感」、「操作性」を最重要課題として開発している。