大阪府内の薬業関連産業の進歩と普及、会員相互の知識増進・親睦、地域の健康増進、公共福祉への寄与を目的に活動する大阪薬業クラブの新年互礼会が6日、大阪道修町の同クラブで開催された。
新年のあいさつの中で相良暁大阪薬業クラブ会長(小野薬品社長)は、まず、「世界情勢は、英国のEU離脱、米国と中東情勢、香港での暴動など、予想し難い状況下にある」と現況を指摘した。
さらに、薬業界にも言及し、「昨年の武田薬品とシャイアーの合併、BMSのセルジーン買収、消費税増税、薬機法改定、本年4月の薬価改定など、様々な事柄が起きている」と明言。
その上で、「医療費の財源を薬価から取ることは予測できるが、その中身については予測不能なところがある。透明性を担保して貰うことが、我々にとってもプラスになる」と訴求した。
国内市場についても、「年間10兆円の市場がある。グローバル市場は110~120兆円であるが、よくよく考えてみれば10兆円の市場規模は大きい」と強調し、「その中で、これまでにない医薬品を創生したり、同じものならとても安い医薬品を作るなどのイノベーションを実現することで、我々も成長できる」との考えを示した。
大阪薬業クラブの事業推進状況では、「平成21年度から10年間に渡って公共事業を実施してきた」と報告。具体的な事業活動として、「道修町まちづくり協議会の活動」、「公益助成事業(令和元年度10件、480万円)」などを挙げ、「当クラブは、今後も持続可能な社会を作っていくための役割をしっかりと果たして行きたい」と抱負を述べた。
乾杯の音頭を取った岩崎真人氏(武田薬品ジャパンファーマビジネスユニットプレジデント)も「当クラブは70年の歴史を通じて、地域の方々の健康増進と公共の福祉に寄与してきた。引き続き、ご支援・ご指導をお願いしたい」と要望。
さらに、「本年は東京オリンピック、5年後には健康をテーマとした大阪万博が開催される。当クラブでは、大阪万博も含めて、日本の将来がもっと明るくなる活動を展開していきたい」と訴えかけた。