武田薬品は6日、デング熱ワクチン(TAK-003)の新製造施設をドイツのジンゲン工場内にオープンしたと発表した。
ジンゲン工場の新たなワクチン製造施設は、高度なオートメーションと最先端のデジタル技術およびデータテクノロジーを融合した最新鋭の無菌製造施設。デング熱ワクチンの包装ラインから使用を開始し、薬液調製、充填、ラベリング、二次包装に利用される。
武田薬品は、同製造施設に1.3億ユーロ以上を投資しており、今後最大200名の従業員を雇用する予定。
WHOによると、デング熱は最も急速に流行地域が拡大している蚊媒介ウイルス疾患であり、全世界で毎年約3.9億人が罹患し、同疾患により2万人が亡くなっていると推定されている。
2016年に建設が開始された新たな製造施設は、包装を始める準備が整った段階にあり、全面的な稼働に向けた許可取得を近く予定している。
武田薬品は、デング熱ワクチンについて、現在、多施設、二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル臨床第3相試験を実施中で、4~16歳の健康な小児を対象に4価デング熱ワクチンを皮下投与した際の有効性、安全性、免疫原性を評価している。同社は、同試験において主要評価項目を達成したことを2019年1月に公表している。
武田薬品のThomas Wozniewski Global Manufacturing and Supply Officerは、「本プロジェクトは、当社のグローバル生産ネットワークにおいて最も重要な投資案件の1つである」と指摘。
その上で、「ジンゲンの拠点は、デング熱ワクチンの製造プロセスの鍵となる凍結乾燥技術に関する豊富な経験を従業員が有しているため、本製造施設の建設地として選ばれた」と説明する。
また、Rajeev Venkayya Global Vaccine Business Unit Presidentは、「新たな製造施設のオープンにより、今まで日本の光工場で行っていた当社のワクチン製造がグローバルに展開され、規模拡大により生産能力が強化される」と強調し、「世界的なデング熱ワクチンに対するニーズに応えていきたい」と抱負を述べた。