
JCRファーマの薗田啓之社長は29日、2026年度第2四半期の決算説明会で会見し、「2030年代、売上高1000億円企業」への3つの成長ドライバーの一つである「国内売上」において主力品となる「ジビノスタット」への期待の大きさを訴求した。
同社は、「国内売上(導入品を含む)」、「技術ライセンス収入」、「海外収益(LSDパイプライン」を3つの成長ドライバーに、売上高1000億円企業達成を目指している。
ジビノスタットは、イタルファルマコから導入品したデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬で、薗田氏は、「9月に厚労省から希少疾病用医薬品指定を受け、年内に製造販売承認を行い、来年には承認取得、販売する予定にある」と今後のスケジュールを説明。
その上で、「ピーク時の売上高は約350億円を見込んでおり、現在売上高400億円の当社にとって非常に大きな戦力となる」と強調した。
「技術ライセンス収入」では、アキュメン社が、JCRファーマ独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を活用したアルツハイマー病治療薬候補について言及。
本年6月、アキュメン社は、最大2品目に対する全世界での開発、製造および販売に関するライセンスの独占的オプション権を行使した。薗田氏は、「当社は、最大で5億5500万ドル(約832億円)のマイルストーンフィーを受領する。アキュメン社は、2027年中ごろ IND(新薬臨床試験開始)申請を予定している」と説明した。
JCRファーマの2026年度第2四半期は、売上高199億7400万円(前年同期比6.5%減)、営業利益△35億0400万円、経常利益△37億9800万円、親会社株主に帰属する中間純利益△38億6700万円となった。
契約金収入の減少により前同比減収となったが、契約金収入を除く売上高は、グロウジェクト(遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤)の年間進捗率がやや低いものの、イズカーゴ(ハンター症候群治療薬)は好調に推移し、全体では計画通りに進捗。契約金収入は、Q2での計上はなく年間進捗率が低いが、Q3以降の計上により通期予想達成を目指す。

販売費及び一般管理費は、主に「開発費の増加」により前同比大幅増、年間進捗率も高めとなった。芦田透代表取締役会長は、「研究開発費は進捗率が高く、通期予想を上回る可能性があるが、販管費全体の最適化を含めて計画の範囲内に収まるように取り組んでいく」と強調した。
さらに、「Q2の営業利益は、赤字となっているが、通期では契約金収入を含む売上高の達成と、費用の適正なコントロールによって期初計画を達成したい」と明言。その上で、「契約金収入の減少により前年同期比で減収となったが、全体としては概ね計画通りに進捗しており、通期予想達成を目指したい」と力強く語った。
2026年度3月期の連結業績は、売上高457億円(対前年比13.3%増)、営業利益11億円(98.2%増)、経常利益5億円(57.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益2億円(90.8%減)を見込んでいる。
JCRファーマは、3つの成長ドライバーによって「2030年代、売上高1000億円企業」を目指しているが、Q2までの進捗では、国内収益でジビノスタットは開発計画の前倒しで順調に進捗。技術ライセンス収入では、アキュメン社によるオプション権の行使、海外収益では、JR141(ハンター症候群治療薬)のイタルファマルコ社への導出契約に加えて、イズカーゴが中東2国(アラブ首長国連邦、クウェート)で承認を取得した。
芦田氏は、「これらは足元の業績を埋めるものではないが、将来の収益基盤が着実に出来つつある」と評価し、「ジビノスタットが収益貢献してきた頃には、今まで以上に投資と財務基盤のバランスを図っていきたい」と抱負を述べた。
