DX銘柄2026に選定 武田薬品 

 武田薬品は10日、経済産業省、東京証券取引所および情報処理推進機構(IPA)が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2026」に選定されたと発表した。
 DX銘柄は、東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定。目標となる企業モデルを広く波及させ、経営者の意識改革を促すとともに、幅広いステークホルダーから評価を受けることで、DXのさらなる促進を図るもの。
 武田薬品は、バリューチェーン全体においてAIを活用し、業務変革と生産性の向上に取り組んでいる。研究開発の分野では、AIによる候補分子特定の迅速化を進めるとともに、製造・供給および品質の領域においては、需要変動や品質への対応を踏まえた生産計画の最適化に加え、AIやデジタル技術を活用したプロセスの自動化・効率化、データに基づく品質のさらなる向上を通じて、安定した医薬品供給と生産性向上の両立を図っている。
 また、医療関係者を含むステークホルダーとの連携においては、データ・デジタル&テクノロジーを活用した「Go-to-Marketモデル」に注力し、最適な情報やサービスの提供を進めている。これにより、医療関係者の顧客体験の向上のみならず、従業員体験の向上も目指している。
 さらに、人材育成の観点では、AI活用を全世界で推進し、デジタル学習に2万人以上が取り組むなどDX人材育成にも注力している。

 武田薬品が進めているデータ・デジタル&テクノロジー活用の取り組みの柱は主に次の4点。

1、経営ビジョンを支えるデータ・デジタル&テクノロジー戦略
 AIを含む先端テクノロジーを活用し、事業全体でイノベーションを促進しながら、生産性を高めている。DD&T戦略は、当社医薬品の成長と研究開発パイプラインの前進を支えており、研究開発から製造、販売、患者の支援まで、バリューチェーン全体に関わる。

2、重点領域:AI活用による、価値創造とガバナンス強化
 同社は、バリューチェーン全体においてAIを活用し業務の変革と生産性の向上に取り組んでおり、製造工程の最適化や診断サポート、医療関係者への最適な情報提供、革新的な医薬品の研究・開発を進め、患者さんにより貢献できるよう日々の業務に取り組んでいる。
 また、Human in the Loopを含む責任あるAIの考え方に基づき、AIの判断を過信することなく、医療・製薬分野に求められる高い倫理性と信頼性を重視しながら、価値創造とリスク管理の両立を図っている。

3、DXによるビジネスモデル変革

・Factory of the Future
同社は、世界25拠点以上に及ぶグローバルな製造ネットワークにおいて、製造DXのグローバルプログラム「Factory of the Future」を推進している。同プログラムのもと、グローバルの製造拠点が、製品特性に応じて策定されたロードマップに基づき、デジタル教育、自動化、生産性向上の3つの重点領域で変革に取り組んでいる。

・Go-to-Marketモデルによる医療関係者・従業員の体験価値向上
患者さんにより良い医療をお届けするべく、日本において、データ、デジタルとテクノロジーを活用し、医療関係者に最適な情報やサービスを提供するための取り組みを進めている。

4、DXを推進する組織体制 :学びと成長を支えるデジタル・デクステリティ
 同社においてDX人材育成を加速させる原動力が「デジタル・デクステリティ」である。これは、デジタル技術を積極的に受け入れ、活用し、個人や組織の成果を最大化するための「能力」と「意欲」を示し、DX人材育成の中核として位置づけている。

 さらに、武田薬品は、スロバキア、メキシコ、インドに加え、日本および中国にイノベーションケイパビリティーセンター(ICC)を設置している。これらICCは、デジタルイノベーションとデータアナリティクスの戦略的ハブとして、バリューチェーンを強化する戦略的な柱の一つとして、高度なデータおよびデジタルソリューションを開発・提供し、その実装を加速させている。
 DXに関する当社の主な取り組みの詳細はhttps://www.takeda.com/jp/about/digital/

◆DX銘柄2026評価委員による総合コメント

 医療関係者とのエンゲージメント強化やサプライチェーン改革を通じて、全社的なDXを戦略的に推進している。AIやIoT、ブロックチェーンなどの先端技術を活用し、顧客体験・従業員体験の向上と環境対応を両立している。
 人とデジタルの協働による価値創出や、現場との共創による改善サイクルの高速化により、実行力と持続性の高いDXを実現しており、業界内でも先進的な取組として高く評価できる。
 グローバルでDXを推進している同社は、創薬や製造、販売等の多くの領域でデータ・デジタル・AIを高度に利活用している。人材育成の充実に加え、人材確保についてもBuild-Operate-Transform-Transferモデルの下、外部パートナーと連携しながら戦略的な採用と育成が実施されており、数多くの専門人材の採用に成功している。
 DXに対する経営陣の強いコミットメントと明確なDX戦略の下で、高度なスキルを持つ人材が充実したシステム基盤を利活用しており、今後のデータ・デジタル・AI利活用のさらなる進展が期待される。

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