塩野義製薬は1日、オランダに拠点を置く非営利団体の医薬品アクセス財団が公表した「Antimicrobial Resistance Benchmark 2026」において、薬剤耐性(AMR)対策に関する同社グループの取り組みが評価され、研究開発型のグローバルな大手製薬企業の中で第2位に選出されたと発表した。
同レポートは、医薬品アクセス財団が、研究開発(Research&Development)、責任ある製造(Responsible Manufacturing)、適切なアクセスと適正使用(Appropriate Access & Stewardship)の3分野において製薬企業のAMR対策への貢献を評価する国際的な調査レポート。同調査レポートは2018年から開始され、塩野義製薬は調査開始当初から評価対象企業に選定されている。同レポートで評価された塩野義製薬の取り組みは次の通り。
1、研究開発(Research & Development)
塩野義製薬は、WHOの細菌優先病原体リスト(BPPL:Bacterial Priority Pathogens List)が定義する「重要(Critical)」もしくは「高い(High)」優先度の病原体を対象とした抗菌薬及びワクチンの研究開発において、研究開発型のグローバルな大手製薬企業の中で2番目に規模が大きい革新性のあるパイプライン(抗菌薬6件、抗真菌薬1件、抗菌ワクチン1件)を有していると位置付けられた。特に、開発中の抗菌薬7件については全てがWHOの指定する優先度が高い病原体を標的としており、そのうち4件はWHOが定義する革新性の基準を満たしていることが高く評価された。
なお、同社は2025年4月に、抗菌薬の研究開発を支援するために米国に創薬ラボを開設し、創薬力の強化に取り組んでいる。
2、責任ある製造(Responsible Manufacturing)
塩野義製薬は、AMRの発生要因の一つとして挙げられている抗菌活性を持つ原薬の拠点外への排出について、国際的な考え方に基づいた管理を行っている。同社グループの製造拠点においては、排水中に含まれる原薬を環境に影響を及ぼす濃度以下になるようにコントロールしており、特に金ケ崎工場におけるセフィデロコルの原薬製造ならびに製剤の両工程では、抗菌薬製造に関する国際認証「BSI Kitemark for Minimized Risk of AMR」を取得している。
また、関係するサプライヤーに対しても現地監査を通じて同様の対応を求めつつ、その取り組み内容を確認・支援しており、その概要を当社のWebサイトで開示している。
これら、AMR発生リスク低減に向けた取り組みと透明性の高い開示が評価され、同分野において研究開発型のグローバルな大手製薬企業の中で最も高い評価を受けた。
3、適切なアクセスと適正使用(Appropriate Access & Stewardship):
塩野義製薬は、抗菌薬の処方量と報酬を切り離して適正使用推進の取り組みを継続しており、パートナーシップを活用し抗菌薬の適正使用やアクセスを促進する取り組みを前進させている点(Global Antibiotic Research & Development Partnership(GARDP)、Clinton Health Access Initiative(CHAI)とともにOrchid Pharmaに製造技術移転の支援を行っている点や、塩野義製薬・国立大学法人長崎大学・サラヤ・Connect Afyaによる包括的パートナーシップにより、ケニア共和国における抗菌薬適正使用(AMS)推進を支援している点など、さらには抗菌薬の需要予測を踏まえた安定供給に向けた体制整備や、国内外で展開されている3つの抗菌薬感受性サーベイランスプログラムに参画もしくは実施していることなどが評価された。
