エーザイは27日、抗がん剤「タレトレクチニブ」(一般名、米国、日本での製品名:イブトロジー)について、欧州医薬品庁(EMA)が非小細胞肺がん治療での販売承認申請(MAA)を受理したと発表した。対象は、ROS1陽性 非小細胞肺がん(NSCLC)治療。今後、標準スケジュールに従って審査が行われる。
タレトレクチニブ は、ROS1陽性NSCLC治療における次世代の経口ROS1高選択的チロシンキナーゼ阻害剤である。2026 年1月にエーザイとニューベーション・バイオは、タレトレクチニブのグローバル展開の拡大に向けた、欧州、中東、北アフリカ、ロシア、トルコ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、インドでの独占的ライセンス契約を締結している。
今回のEMAへの申請に続き、英国、カナダをはじめとするその他のエーザイのライセンス地域でも順次、同剤の承認申請を行う予定である。
ヨーロッパでは、毎年約40万人が肺がんと診断され、そのうちNSCLCが80%を占めている。NSCLC 患者の約2%がROS1陽性疾患であると推定されている。
今回のMAA は、グローバル患者を対象にタレトレクチニブを評価したP2試験(TRUST-IおよびTRUST-II)のデータに基づくもの。TRUST臨床プログラムの統合解析の結果は、2025年4月にJournal of Clinical Oncologyに掲載されている。
ニューベーション・バイオは、これまでに確認された奏効の程度および奏効期間をさらに裏付ける、長期投与患者の追跡結果を反映した最新データを近く開示する予定だ。
さらに、タレトレクチニブの臨床データセットが包括的なものであり、CHMPのRapporteurおよびCo-Rapporteurとの事前申請ミーティングにおいて好意的なフィードバックを得られたことに基づき、同MAA はフル承認に向けた審査対象として受理された。
タレトレクチニブは、2025年6月に米国FDAより、局所進行または転移性ROS1 陽性NSCLC の全治療ラインにおける治療薬として、優先審査と2つのブレイクスルーセラピーの指定に基づき、フル承認を取得した。
日本では日本化薬が、中国ではイノベント・バイオロジクスが 、進 行 ROS1 陽性 NSCLCに係る適応でそれぞれ承認を取得している。
◆井池輝繫エーザイチーフビジネスオフィサーのコメント
本MAAの受理は、欧州のROS陽性NSCLC 患者さんにとって重要な節目となる。タレトレクチニブは、その有効性と安全性のプロファイルから、欧州においてこの進行性の疾患を抱える患者さんに対する標準治療となる可能性があると考えている。
本剤を標的治療の選択肢を早急に必要とされている患者様にお届けできるよう、審査過程においても EMA と密に連携していく。
◆David Hungニューベーション・バイオ社長兼CEOのコメント
米国、中国、日本において、タレトレクチニブがROS1陽性NSCLC患者あんに対してもたらしてきた意義ある影響を踏まえ、エーザイとの提携のもと、欧州における本剤のMAAが受理されたことを大変嬉しく思う。
本申請は、ニューベーション・バイオのグローバル開発戦略における重要なマイルストンであり、この高選択性を有する次世代経口治療を欧州および世界中で必要としているより多くの患者さんに提供するという目標の実現に向けた大きな一歩となる。

