ノバルティスは19日、MEK阻害剤「メキニスト」について、がん化学療法後に増悪した低異型度漿液性卵巣がん(LGSOC)を対象とした単剤療法の適応追加承認を取得したと発表した。
LGSOCは卵巣癌(卵管癌、腹膜癌を含む)のまれな組織型であり、卵巣癌全体の5%未満と推定されている。比較的若年女性に発症する傾向があり、進行が緩慢で症状が乏しいため、多くが進行期で診断される。
また、一次治療として標準的に用いられる化学療法に対して抵抗性を示すことが報告されており、70%以上の患者さんが再発を経験するなど、治療上の課題が残されている。再発後も化学療法が主な治療選択肢となっているが、その有効性には限界があり、新たな治療薬が長年求められていた。
海外で実施された国際共同P2/3相医師主導治験(GOG281/LOGS試験) では、メキニスト単剤療法は標準的な化学療法と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示した。
この結果を踏まえ、米国治療ガイドラインでは、再発LGSOC患者に対してメキニストによる薬物治療が推奨されている。
日本では、2022年に日本臨床腫瘍学会、日本婦人科腫瘍学会、ならびに卵巣がん体験者の会スマイリーよりLGSOCに対するメキニストの開発要望が厚労省へ提出された。
今回の承認は、開発要望に基づき「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、既存の科学的根拠に基づいた公知申請を行うことの妥当性が判断され、承認申請が行われ、適応追加が認められたもの。
◆ジョンポール・プリシーノノバルティス ファーマ 代表取締役社長のコメント
今回の承認は、治療選択肢が限られていたLGSOCの患者さんに新たな可能性をもたらす大きな前進である。このように公知申請の枠組みを通じて、科学的根拠に基づきながら、より迅速に新たな治療法を提供することができた。我々は “Reimagining Medicine” の理念のもと、今後も患者さんのアンメット・メディカルニーズに応える革新的な治療の提供に努めていく。

