エンタイビオ P3試験で小児の中等から重症潰瘍性大腸炎治療での寛解の可能性確認 武田薬品

 武田薬品は20日、エンタイビオについて、P3相試験(KEPLER試験)において、消化管の慢性炎症性疾患である中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)に罹患する2歳以上の患者に臨床的寛解をもたらす可能性が示されたと発表した。
 既存治療または抗TNF抗体治療に反応不十分な2歳〜17歳の小児患者を対象としたエンタイビオ静注製剤の国際共同P3試験(KEPLER試験)において、約半数(47.3%)の参加者が第54週時点の臨床的寛解という主要評価項目を達成したもの。エンタイビオベドリズマブの安全性プロファイルは、成人での既知の安全性プロファイルと概ね一致した。これらの試験結果は第21回Congress of European Crohn’s and Colitis Organisation (ECCO)で発表された。
 武田薬品は、KEPLER試験を通じて、より深い科学的知見を見出すと共に、潰瘍性大腸炎の成人患者の主要な治療であるベドリズマブによって恩恵を受ける追加の患者集団を特定し続けていく。
 KEPLER試験には、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する2歳から17歳の小児患者120例が組み入れられた。これらの患者は、既存治療(ステロイドや免疫調節薬など)および/または抗TNF抗体治療に対する反応が不十分であり、14週間のオープンラベル導入期間中に、ベドリズマブの静脈内(IV)投与を受けた。
 120例中93例は、第 14週時点で臨床反応を達成し、その後、8週間ごとのベドリズマブによる維持療法として、低用量(n=47)または高用量(n=46)に無作為化された。これら93例においては、次の結果が示された。

・参加者の約半数(47.3%)が、主要評価項目である第 54週時点での臨床的寛解を達成した。

・3分の1を超える参加者(34.7%)が、第14週時点での臨床的寛解(副次評価項目)を達成した。

・4人に1人を超える参加者(29%)が、第14週および第 54週の両方での臨床的持続寛解(副次評価項目)を達成した。

・さらに、参加者におけるベドリズマブの安全性プロファイルは、成人での既知の安全性プロファイルと概ね一致しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。KEPLER試験においてベドリズマブ投与下で報告された、発現頻度の高い有害事象(発現率10%以上)は、上気道感染(30%)、潰瘍性大腸炎(疾患悪化)(17.5%)および発熱(12.5%)であった。
 武田薬品は、2歳から17歳の小児患者さんにおける中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の治療を対象として、静脈内投与のエンタイビオについて、米国、欧州連合およびその他の国で承認申請を行う予定である。

◆ KEPLER試験治験責任医師のRamalingam Arumugam氏(MNGI Digestive Health所属小児消化器科医、MD)のコメント
 潰瘍性大腸炎との診断は、若年患者さんとその家族にとって生活を大きく変えてしまい、多くの場合、有効な治療選択肢を探し続けることになる。KEPLER試験では、特に治療が難しい患者集団である既存治療や抗TNF抗体治療に反応が不十分な小児患者さんにおいて、エンタイビオにより臨床的に意義のある改善が認められた。
 試験データでは、1年後に約半数の患者さんが寛解を達成しており、安全性も成人でのベドリズマブのプロファイルと概ね一致していた。
 これらの結果は、エンタイビオが2歳以上の小児潰瘍性大腸炎の治療において重要な治療選択肢となり得ることを示唆している。

◆Awny Farajallah武田薬品チーフ・メディカル・オフィサー(MD)のコメント
 潰瘍性大腸炎の小児患者さんを支える家族や臨床医は、あまりにも長い間、治療選択肢が限られた状況に置かれてきた。中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する2歳からの患者さんに対して、潰瘍性大腸炎の治療において確立した役割を果たしているENTYVIOが新たな治療選択肢となり得ることを示唆するKEPLER試験の結果を、私たちは心強く受け止めている。
 これらの知見は、ENTYVIO の安全性と有効性を示す 10 年以上にわたる科学的研究に基づくものであり、炎症性腸疾患の全領域にわたるエビデンスに基づく医療を推進する当社の継続的なリーダーシップを反映している。重要なことは、本試験が、最も支援を必要とする患者の皆さんを支援するという当社の長年のコミットメントを明確に示していることである。

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