C4Uと新たな創薬アプローチ確立で実証実験契約締結 FRONTEO

 FRONTEOは3日、C4U(本社:大阪府吹田市)とFRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF)とC4Uのゲノム編集技術を組み合わせた新たな創薬アプローチの確立を目的にPoC(実証実験)契約を締結したと発表した。
 FRONTEOは、自社開発のAI「KIBIT(キビット)」を活用し、膨大な文献情報から既知の文献に記載されていない「疾患と標的分子の未知の関連性」を非連続的に発見する独自技術を有している。
 これらの技術を基盤とする「DDAIF」は、新規性の高い標的分子候補の抽出や疾患メカニズム解析に強みを持ち、大手製薬企業を中心に導入が拡大している。
 C4Uは、次世代型ゲノム編集技術「CRISPR-Cas3(クリスパー・キャス・スリー)」を活用し、遺伝子治療・細胞治療領域において複数の創薬パイプラインを保有している。東京大学、京都大学、大阪大学、理化学研究所など国内有力研究機関との共同研究に加え、RACTHERA(住友化学と住友ファーマによる合弁会社)、ノイルイミューン・バイオテック、iXgeneなど製薬・バイオテクノロジー企業とのパートナーシップを通じ、世界的に注目されるゲノム編集分野で研究・事業基盤を構築してきた。
 同PoCでは、FRONTEOの「DDAIF」を活用し、従来の創薬モダリティである低分子医薬や抗体医薬では治療が困難な疾患領域に対して、新たな医薬品や治療法を見出し得る疾患および作用点を網羅的に探索。C4Uのゲノム編集技術を適用できる遺伝子治療・細胞治療の新たな創薬パイプライン創出を目指す。
 治療介入が難しくアンメット・メディカル・ニーズの高い、難病・希少疾患を一例として、FRONTEOの疾患関連遺伝子ネットワーク生成技術およびスクリーニング手法と、C4Uのゲノム編集技術を融合させることで、新たな治療の可能性を探索する。
 ゲノム編集は、がん、希少疾患、難治性疾患など、世界的に治療開発ニーズの高い領域を中心に注目を集めている。一方で、創薬研究の現場では、「どの疾患に対して創薬すべきか」、「多数存在する疾患の中から、ゲノム編集技術が最も効果を発揮できる対象疾患をどのように選定するか」、「遺伝子異常を原因とする疾患に対して、どのように治療介入へつなげるか」といった課題への対応が求められている。
 こうした課題に対し、FRONTEOの「DDAIF」は、独自の自然言語処理アルゴリズムを用いて膨大な学術論文を網羅的に解析し、論文数が限られる希少疾患領域においても、新規性の高い標的分子候補の発見や疾患メカニズムの解析を可能にする。この特性はC4Uが注力する疾患領域との高い親和性を有している。
 今回のPoCでは、「DDAIF」による新規標的分子候補および作用メカニズム仮説の抽出と、それに続くC4UのCRISPR-Cas3技術の適応可能性評価を一体的に進めることで、ゲノム編集創薬における標的探索プロセスの高度化と創薬の実現性向上を図る。
 FRONTEOの「DDAIF」による「ドライ研究(データ解析)」と、C4Uのゲノム編集による「ウェット研究(実験)」を有機的に連動させることで、標的探索から仮説創出、検証までを一本化させた新たな創薬モデルを構築する。これにより、従来技術では創薬アプローチが困難な疾患領域における治療法開発のブレークスルーを目指す。

◆豊柴博義FRONTEO取締役/CSOのコメント
 FRONTEOは、独自のAIと解析技術により、世界でまだ論文に報告されていない疾患と標的分子の関係性や疾患メカニズムを、文献情報から非連続的に見出すことを強みとしている。
 当社の「DDAIF」とC4Uのゲノム編集技術を融合させることで、従来の薬や治療方法ではアプローチできない疾患や標的分子に対する新たな可能性を発見できることを期待している。
 本PoCが、革新的なゲノム治療法創出とアンメット・メディカル・ニーズの解消、日本の医薬産業の発展に貢献することを願っている。

◆平井昭光C4U代表取締役社長のコメント
 ゲノム編集を用いた創薬においては、疾患に関係のある適切な対象遺伝子を見出し、その遺伝子に修正を加えることで医療効果を発揮させることが必要である。
 だが、単純な疾患原因遺伝子の機能停止・回復のみならず、疾患に関係する遺伝子にはさまざまなものがあり、かつその機序もまちまちとなる。そのような中でFRONTEOの保有するAIと解析技術によって、これまでに見出すことができなかった新たな知見が得られることが期待される。
 KIBITおよびDDAIFは他のAI技術にない優れた特徴を有しており、本プロジェクトが成功し、医療の推進をもたらす新たな創薬モデルが築かれることを期待している。

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