MSDは1月30日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」と抗体-薬物複合体(ADC)「パドセブ」との併用療法について、日本で筋層浸潤性膀胱がん患者における術前・術後の補助療法としての適応追加申請を実施したと発表した。対象は、シスプラチンを含む化学療法に不適格な筋層浸潤性膀胱がん患者に対する術前・術後の補助療法。
膀胱がんは、日本では年間約2万4,000人が診断され、約9700人が亡くなっている。膀胱がんは、膀胱の内側の粘膜に発生する。膀胱の壁は、内側から粘膜上皮、上皮下結合組織、筋層からなり、がんが筋層まで及んでいるかにどうかにより、筋層非浸潤性膀胱がん(ステージ0期・Ⅰ期)と筋層浸潤性膀胱がん(ステージⅡ期~Ⅳ期)に分類される。
筋層浸潤性膀胱がんは、膀胱がんの約25%を占めており、転移がない場合はシスプラチンを含む術前補助化学療法+膀胱全摘除術が標準治療のひとつとなるが、筋層浸潤性膀胱がん患者の約半数はシスプラチン不適格であるため、こうした患者に対する標準的な術前補助療法は確立されていない。
今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、シスプラチン不適格またはシスプラチン治療を拒否した筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした無作為化P3試験(KEYNOTE-905/EV-303試験)結果に基づくもの。同試験において、膀胱全摘除術と周術期のキイトルーダ+パドセブの併用療法は、膀胱全摘除術単独と比較して、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)と副次評価項目の一つである全生存期間(OS)について統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。なお、同試験における同併用療法の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していた。

