2月15日「老化制御の最新研究と暮らしへの影響」テーマに第2回オンライン市民公開講座開催 iCONM

 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)は、2 月 15 日午後2時より、「ここまで来た老化制御!最新研究と、私たちの暮らしへの影響を考える」をテーマにZOOM ウェビナーによる第2回オンライン市民公開講座を開催する。
 近年、老化に関する研究が急速に進み、「老化細胞」が体内で作られる仕組みや、その検出も可能となってきた。我々の身体を構成する細胞は、遺伝子が紫外線や化学物質により傷つけられても、多くの場合修復機能が働き元通りとなるが、その修復ができないままでいると細胞のがん化が起きるリスクが高くなる。
 そのため、遺伝子修復ができなくなった細胞は、アポトーシス(自ら消滅)するか細胞分裂の機能が強制的に停止させられる。後者の結果生まれた細胞が「老化細胞」で、長期に渡り周囲の組織で慢性炎症を起こし老年病の原因になるとも考えられている。
 同講座では、細胞老化の研究で著名な高橋暁子氏(がん研究所細胞老化研究部部長)と科学のイノベーションにおける倫理・制度・社会的課題 (ELSI) に詳しい白川展之氏(新潟大学研究統括機構 ELSI センター副センター長)が基調講演し、老化細胞研究の最前線とそこに絡むELSI/RRI について解説する。
 また、基調講演者 2名に加え、日経バイオテク編集長の久保田文氏、アステラス製薬アドボカシー部課長の白ケ澤智生氏、東京科学大学大学院生の宮津美由里氏をパネリストに迎えて「老化制御の期待と不安:科学・医療・社会の可能性」をテーマにディスカッションを展開する。開催概要及び、各基調講演、パネル討論の要旨は次の通り。

【開催概要】
◆日時: 2026 年 2 月 15 日(日) 午後 2 時~午後 4 時半(午後 1 時 45 分開場)
◆場所: ZOOM ウェビナーによるオンライン開催
◆参加費: 無料
◆参加登録: 次のサイトから事前登録する。
https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_y8C5a_CDQHuXc8kMiEuirQ#/registration

◆申込締切: 2026年2月13日(金)正午

【基調講演、パネル討論の要旨】
◆基調講演①: 老化細胞を標的とした医療開発の可能性(演者: 高橋暁子氏)
 加齢とともに体内に蓄積する老化細胞が、周囲の組織に慢性的な炎症を引き起こし、がんやアルツハイマーや動脈硬化などの加齢性の病態や疾患の要因となっていることが近年報告されている。
 そのため、超高齢社会の到来を迎えた現在、加齢性疾患の予防と治療を目指した方策として、老化細胞を標的とした医療の開発が世界的に進められている。
 これまでに、老化細胞に選択的に細胞死を誘導する薬剤や免疫細胞の活性化などのいくつかの方法によって体内の老化細胞を除去する試みがなされ、動物実験では寿命の延伸と加齢に伴う病態の発症時期の遅延につながることが示されている。
 その一方で、体内の老化細胞の排除は臓器の機能不全による死をもたらすという真逆の報告もあり、その安全性が疑問視され警鐘も鳴らされている。
 プロジェクトCHANGE では、健康長寿社会の実現を目指して、老化細胞の生体機能を理解するための基礎研究や、老化細胞を標的とした医療の開発研究を行っており、同講演ではその取り組みが紹介される。

◆基調講演②: 最新医療と社会のルール形成:誰が何を決める?~老化制御を市民と地域の視点で考える(演者: 白川展之氏)
 老化制御をめぐる研究は近年急速に進展し、医療や健康のあり方を大きく変える可能性が指摘されている。一方で、研究成果がただちに医療として利用できるわけではなく、安全性の確認や有効性の検証、社会的な受容を含めた長い検討のプロセスが必要である。
 その過程では、「どこまでが科学的に確かな知見なのか」「誰が利用の是非を判断するのか」「不確実な段階でどのように情報を伝えるべきか」といった課題が生じる。
 同講演では、老化制御を例に、最新医療が社会に導入されるまでの時間軸と不確実性の背景を整理。その上で、研究者・企業・行政・市民がそれぞれ果たす役割や合意形成のあり方を考え、地域社会において科学技術とどのように向き合うべきかを議論する。

◆パネル討論: 老化制御の期待と不安:科学・医療・社会の可能性
 老化を抑える、あるいは老化細胞を標的とする医療の研究は、健康長寿への期待とともに注目を集めている。一方で、ニュースや SNSで情報に触れる機会が増えるほど、「何を根拠に見ればよいのか」「どんな点に注意して受け止めればよいのか」といった戸惑いも生まれる。
 同パネル討論では、新しい医療の情報が社会に出たときに「どう整理され、どう伝わり、どこで誤解が生まれやすいのか」に焦点を当てる。研究者・医療者に加え、メディア(報道の現場)、企業(開発と情報発信の立場)、学生(次世代の率直な疑問)が、それぞれの現場感を持ち寄り、専門的な話題を「自分ごと」として捉えるためのヒントを共有する。
 期待を過度にふくらませず、かといって不安だけで終わらせないために、参加者の疑問も交えながら、これからの医療情報と向き合うための「見方」と「問いの立て方」を持ち帰れる対話の場を目指す。

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