エーザイは13日、抗がん剤「タレトレクチニブ(一般名、米国、日本での製品名:イブトロジー)について、米ニュベーションバイオと欧州をはじめとする各国(米国、中国、日本除く)における独占的ライセンス契約を締結したと発表した。
タレトレクチニブは、ROS1陽性 非小細胞肺がん (NSCLC)治療における次世代の経口ROS1高選択的チロシンキナーゼ阻害剤であり、現在、米国、中国、日本において進行ROS1陽性NSCLCに係る適応で承認されている。
同契約により、エーザイは、ROS1陽性NSCLC治療におけるタレトレクチニブの開発、薬事および商業化について、欧州、中東、北アフリカ、ロシア、トルコ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、インドにおける独占的な権利を取得する。
ニュベーションバイオは、引き続き、タレトレクチニブのグローバルな開発を主導し、初期および後期ステージのROS1陽性 NSCLCを対象とした進行中のピボタル試験を推進するとともに、米国での全ての商業権を保持し、米国の上市活動に注力する。
欧州における進行性ROS1陽性 NSCLC治療に関する同の販売承認申請(MAA)は、2026年前半までに行う予定で、その後、カナダおよびその他の地域でも順次申請を行う。
同契約に伴い、エーザイはニュベーションバイオに対して、契約一時金として5000万ユーロ(約90億円、1ユーロ=180円換算)に加えて、薬事、販売マイルストンペイメントとして最大1億4500万ユーロ(約261億円)を支払う。
また、エーザイは、ライセンス地域における同剤の売上に応じて、10%後半までの二桁の段階的なロイヤルティを支払う。これに伴い、エーザイは、契約一時金に続き、最初のマイルストンとして、EUでの条件付きまたはフル承認取得達成時に2500万ユーロ(約45億円)を支払う見込み。
タレトレクチニブは、2025年6月に米国FDAより、局所進行または転移性ROS1陽性NSCLCの全治療ラインにおける治療薬として、優先審査と2つのブレイクスルーセラピーの指定に基づき、フル承認を取得した。日本では日本化薬が、中国ではイノベントバイオロジックスが、進行ROS1陽性NSCLCに係る適応でそれぞれ販売している。なお、同件に伴うエーザイの2026年3月期の連結業績予想の変更はない。
◆David Hungニュベーションバイオ社長兼CEOのコメント
今回のエーザイとの提携は、タレトレクチニブのグローバル展開における大きな節目であり、この臨床的に意義のある治療選択肢がさらに多くのROS1陽性 NSCLC患者様に影響を与える可能性を長期にわたって高めるものである。
エーザイは、主要地域で革新的な医薬品を市場に届けてきた世界レベルのインフラと実績を有しており、今回の協業はタレトレクチニブの商業的な可能性を示すとともに、世界中の医療従事者や患者様がこの重要な治療選択肢にアクセスできる機会を大きく拡大するものだ。
◆井池輝繫エーザイチーフビジネスオフィサーのコメント
タレトレクチニブは、その有効性と安全性プロファイルにより、米国で承認からわずか6カ月でROS1陽性 NSCLCに対する標準治療として位置付けられ、EUをはじめとするその他の地域でも標準治療となる可能性があると考えている。
今回のニュベーションバイオとの提携により、タレトレクチニブをNSCLC領域における当社の主力オンコロジー製品として、優先度高く取り組むことができることを大変嬉しく思う。この有望な治療法を一日も早く患者様に届けられるよう尽力したい。
