JASCAYD 米国FDAが進行性肺線維症治療薬として承認 ベーリンガーインゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムは7日、JASCAYD錠(一般名:ネランドミラスト)について、米国FDAが進行性肺線維症(PPF)の成人患者の治療薬として承認したと発表した。
 JASCAYD錠は、免疫調節作用と抗線維化作用を示すホスホジエステラーゼ4B(PDE4B)優先的阻害剤としては、初めて同適応の承認を取得した。同承認により、重篤な肺疾患において米国に新しい治療オプションがもたらされる。
 今回のFDAの承認は、大規模なPPFの臨床試験プログラムであるP3相FIBRONEER TM-ILD試験結果に基づくもの。この結果から、ネランドミラストがPPFにおける呼吸機能の低下を抑制し、投与中止の割合はプラセボ群10.2%に対し、ネランドミラスト 9mg群で8.1%、18mg群で10.0%であることが明らかになった。
 FIBRONEER TM-ILDの主要評価項目は、52週時の努力肺活量(FVC)のベースラインからの絶対変化量(mL)であった。FVCは、呼吸機能を測定する基準だ。ネランドミラストは、プラセボと比較して、FVCのベースラインからの絶対変化量(mL)の低下を有意に抑制した。
 FVCのベースラインからの絶対変化量は、プラセボ群の-152mLに対し、ネランドミラスト18mg群では-86mL、ネランドミラスト9mg群では-69mLであった。プラセボ群と比較した治療差は、ネランドミラスト18 mg群では65 mL(95% CI: 30, 101)、ネランドミラスト9 mg群では83 mL(95% CI: 48, 118)であった。
 ネランドミラストの投与を受けたPPF患者において最も一般的に報告された有害事象は下痢で、プラセボ群の24.7%に対し、ネランドミラスト9mg群の29.5%、18mgの36.6%にみられた。
 FIBRONEER-ILD試験において、有害事象によって投与中止につながった割合は,プラセボ群10.2%に対し、ネランドミラスト9㎎群で8.1%、ネランドミラスト18㎎群で10.0%であった。

◆Shervin Assassiテキサス大学ヒューストン健康科学センター マクガバン医学校 リウマチ学部長教授(M.D.)のコメント
 進行性肺線維症は、自己免疫性間質性肺疾患を含む間質性肺疾患(ILD)の臨床診断に関連しており、特に関節リウマチ、全身性硬化症、過敏性肺炎などの疾患によって引き起こされる。これらの基礎疾患では肺が見過ごされることが多く、肺の瘢痕につながり、呼吸機能に不可逆の影響を及ぼす可能性がある。
 患者さんの生命に好ましくない影響が生じており、ネランドミラストで確認されたような、呼吸機能の低下を抑制する新しい治療オプションが求められていた。

◆シャシャンク・デシュパンデ ベーリンガーインゲルハイム医療用医薬品事業担当取締役兼取締役会会長のコメント
 進行性肺線維症は、生命を脅かすアンメットニーズが高い疾病である。米国でのJASCAYD錠の承認は、PPF患者さんの呼吸機能低下の抑制に向けた重要段階であり、これにより新しい治療オプションがもたらされる。
 これからはステークホルダーと緊密に協力してアクセスを可能にし、世界中の患者さんができる限りJASCAYD錠の恩恵を享受できるようたゆみない努力を続けていく。

◆Scott Staszak肺線維症基金代表兼CEOのコメント
 進行性肺線維症とともに生きる人々はしばしば、他の人には理解できない重い負担を背負っている。PPFのような進行性疾患は肺の機能を急速に悪化させる可能性があり、患者は新たな治療選択肢を切望してきた。
 FDAによりPPF治療薬としてネランドミラストが承認されたことは、患者コミュニティにとって歓迎すべき画期的な出来事と言える。

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