
ロート製薬は15日、来年4月入社の大学生・大学院生向け新卒採用において、エントリーシートによる書類選考を廃止し、人事担当者との 15 分間の対話を採用プロセスの第一ステップとする「Entry Meet(エントリーミート)採用」を導入すると発表した。
採用の初期段階において書類や AI 面接での選考が一般化する中、同社では学生一人ひとりの個性を十分に捉えきれないまま選考を進めることへの課題を掲げていた。
その結果、より確かな相互理解を実現するため、まず直接対話することを入口に据えた採用プロセスへと再設計する。「Entry Meet」は 2026年1月16日より全国8拠点で実施する。
同社では、新卒採用の初期段階において、エントリーシートによる書類選考を実施してきた。だが、生成AIの普及で内容の均質化が進み、従来の方法では一人ひとりの本質的な個性を十分に捉えきれないとの思いがあった。
AI面接も有効な手段の一つと認識しているが、そもそも技術革新とともに形づくられてきた現在の採用プロセスが、同社や学生にとって最適なのかを改めて問い直す必要がある。その理由は、応募の手軽さが高まるほどエントリー数は増えるが、一方で企業は効率的な選考手法を追求することになるからだ。学生も多くの企業に応募せざるを得ない状況となり、負担が増大するだけでなく、短期間で多数の選考に臨む構造上、十分な企業理解が難しくなる場合もある。結果として、入社後のミスマッチにつながり得るとの認識がある。
ロート製薬は、「求職者と企業が“共に働く未来”を互いに具体的に想像できるかどうかこそが、採用において最も重要である」としている。書類や AI 面接による企業側からの一方向の評価に偏らず、直接対話し、価値観やビジョンを確かめ合うことが双方にとってより良い採用活動につながると判断し、「Entry Meet 採用」の導入に至った。「Entry Meet 採用」制度の概要は、次の通り。
◆ エントリー方法
応募開始:2025年12月15日
応募方法:必要書類を採用マイページより提出の上、Entry Meet 枠を予約
◆ Entry Meet(一次ステップ)
面談形式:人事担当者との 15 分の対話
服装:私服を推奨
開催地域:全国 8 拠点(札幌/仙台/東京/名古屋/金沢/大阪/広島/福岡)
期間:2026年1月16日〜2月8日
※Entry Meet は原則対面での実施を基本としているが、海外大学在籍など、物理的に参加が難しい場合にはオンラインでの参加も検討している
◆ 選考フロー
Entry Meet の後、複数回の面接およびグループワークを経て内定

