アトゲパント P3試験で片頭痛急性期治療の頭痛消失における有用性確認 アッヴィ

 アッヴィは10日、アトゲパントについて、P3相ECLIPSE試験で片頭痛急性期治療の頭痛消失におけるプラセボとの優越性を確認したと発表した。
 ECLIPSE試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、複数回片頭痛発作評価試験である。同試験において、主要評価項目および主要な副次評価項目を達成し、最初の片頭痛発作に対する投与後2時間時点での頭痛の消失および片頭痛の最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失に関して、アトゲパントの優越性が示された。
 これらの試験結果は、12月3~6日にかけてポルトガルのリスボンで開催された欧州頭痛学会で報告された。
 P3相ECLIPSE試験では、片頭痛(前兆の有無を問わず)の病歴を有する成人の最初の片頭痛発作に対する投与後2時間時点での頭痛の消失に関して、アトゲパントはプラセボに対する優越性を示した(アトゲパント24.3%、プラセボ13.1%、オッズ比2.36、95% CI:1.76~3.15、 p<0.0001)。
 また、主要な副次評価項目16個のうち、投与後2時間時点でのMBSの消失(p<0.0001)など、最初の12個の評価項目で統計学的有意性が認められた。
 24週間の投与期間におけるアトゲパントの安全性プロファイルは、片頭痛の予防療法としてアトゲパントを検討した以前の試験で認められたものと同様であった。片頭痛の急性期治療において、片頭痛の予防療法で認められなかった新たな安全性シグナルは検出されなかった。
 24週間の二重盲検期間中に、治験薬の投与下で特に高頻度(患者の2%以上)に認められた有害事象は、上咽頭炎(4.6%)および上気道感染(2.3%)であった。
 片頭痛は、有病率の高い消耗性の神経疾患で、世界の人口の約14%が罹患しており、男性と比べて女性で多くみられる。片頭痛発作は25歳から55歳の成人で最も多く生じ、重度の拍動性の頭痛、光や音への過敏反応、悪心を特徴とし、しばしば日常生活に大きな支障をきたす。
 身体的な影響にとどまらず、片頭痛は全世界で重大な社会経済的問題となっており、心血管系疾患や糖尿病よりも大きな経済的負担を一貫してもたらしている。
 欧州では、片頭痛による損失はGDPの1.2%から2.0%に相当し、無報酬労働における女性の生産性損失は男性の4~9倍に上る。労働生産性、特に無報酬労働の生産性に対する重大な影響にもかかわらず、片頭痛の全体的な負担は過去10年間変化しておらず、効果的な治療法の必要性を示している。

◆Primal KaurアッヴィSenior Vice President, Immunology, Neuroscience, Eye Care and Specialty Development(M.D., MBA)のコメント
 ECLIPSE試験の最新結果は、片頭痛に苦しむ人々を頭痛から解放するための大きな一歩であり、片頭痛の急性期治療におけるアンメットニーズ解消に向けた私たちの取組みを強調するものである。
 欧州医薬品庁への申請を通じて、アッヴィは患者さんの治療選択肢を広げることに引き続き注力していく。承認が得られた場合、アトゲパントは欧州において片頭痛発作に対する急性期治療の新たな選択肢となる。

◆ECLIPSE試験治験責任医師のAnnelies Van Dycke氏(AZ Sint-Jan病院神経内科部長、M.D., Ph.D.,)のコメント
 片頭痛は、日常生活に多大な影響を及ぼし得る消耗性の疾患である。既存の治療法は存在するものの、多くの患者さんは依然として効果的で使いやすい治療法への障壁に直面している。
 アトゲパントのような標的薬による治療を包括的ケア計画の中で提供できるようになれば、片頭痛患者さんの生活を大きく変えられる可能性がある。

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