早老症治療薬「ゾキンヴィ」の新たな適応症開発でOptimAIzeと共同研究契約締結 アンジェス

アンジェスは9日、東京大学医学部発のAIスタートアップ OptimAIzeと同社が日本国内で販売中の早老症治療薬「ゾキンヴィ」(一般名:ロナファルニブ)のAI創薬に関する共同研究契約を締結したと発表した。
 同契約締結は、ゾキンヴィの新たな適応症の開発を目的としたもの。OptimAIzeの予備的AI解析により、ゾキンヴィが既存の適応症以外に8つの希少疾患領域で治療効果を示す可能性を発見しており、同共同研究では、アンジェスとOptimAIzeが共同で、これらの候補疾患に対する詳細な検証を進め、新たな適応症開発の可能性を探索する。
 ゾキンヴィは、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性
のプロジェロイド・ラミノパチー(PDPL)の治療薬としてEiger BioPharmaceuticalsが米国において2020年11月に承認を得て販売され、アンジェスが2022年5月に日本における独占販売契約を締結した。
 その後、日本においては、2023年3月に厚生労働省により希少疾病医薬品に指定され、2024年1月に承認、同年5月より販売を開始した。
 近年、新薬開発コストの高騰(平均12.4億ドル、開発期間10〜17年)を背景に、既存医薬品を新たな疾患に適応する「ドラッグリポジショニング」が注目されており、OptimAIzeは、独自のAI解析手法により、既存薬と疾患の新たな関連性を予測する技術を有している。
 今回、アンジェスとOptimAIzeは、OptimAIzeが保有する独自のAI解析手法を活用し、予備的に特定した8つの希少疾患候補について、アンジェスとOptimAIzeが共同で詳細な検証を進めることに同意した。この共同研究により、ゾキンヴィの新たな適応症開発の可能性を探索する。
 なお、今回の契約締結に伴うアンジェスの業績への影響は軽微である。

◆山田英アンジェス株式会社 代表取締役社長のコメント
 OptimAIzeとの共同研究により、AI技術を活用したゾキンヴィの新たな適応症探索を開始できることを大変嬉しく思う。希少疾患領域では治療選択肢が限られており、今回の取り組みは患者さんに新しい希望を届ける重要な一歩である。
 アンジェスは革新的な医薬品開発を通じて医療の未来に貢献することを使命としており、AI創薬との融合で開発を加速し、より多くの患者さんに迅速に治療を届けるため挑戦を続けていく。

◆関戸隆OptimAIze Consulting代表取締役のコメント
 アンジェスとゾキンヴィの新たな適応症探索に取り組めることを大変嬉しく思う。ドラッグリポジショニングはAI技術と極めて相性が良く、患者さんを救うスピードを速めるだけでなく、有限な医療資源を最適化するという観点でも、今まさに取り組むべき重要領域であると確信している。 この協業を通じて、弊社単独では成し得ない価値を社会に実装し、技術を通じて世界中の人々に貢献していけるよう邁進していく。

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