MSDは18日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」について、非小細胞肺がん(NSCLC)の治療における持続的な生存ベネフィットを示す新たな長期データを発表した。
この結果は、切除可能NSCLCに対する術前・術後補助療法(周術期レジメン)としてキイトルーダを評価するKEYNOTE-671試験の5年間の探索的解析と、特定の局所進行または転移性NSCLCを対象とする単剤療法としてキイトルーダを評価するKEYNOTE-024試験およびKEYNOTE-042試験の8年間の解析ならびにKEYNOTE-001試験およびKEYNOTE-010試験の10年間の解析に基づくもの。
P3相KEYNOTE-671試験の5年間の探索的なフォローアップデータでは、特定の切除可能II期、IIIA期、IIIB期NSCLCの患者において、キイトルーダと化学併用療法による術前補助療法と、それに続くキイトルーダの単剤療法による術後補助療法が、プラセボと化学療法による術前補助療法とプラセボ単独による術後補助療法と比較して、全生存期間(OS)および無イベント生存期間(EFS)のアウトカムにおいて、引き続き臨床的に意味のある延長を示した。
キイトルーダ群の化学療法・プラセボ群に対するOSのハザード比(HR)は0.74(95% CI, 0.59-0.92)であった。EFSのHRは0.58(95% CI, 0.48-0.69)であった。
KEYNOTE-024試験およびKEYNOTE-042試験の8年間の探索的解析ならびにKEYNOTE-001試験およびKEYNOTE-010試験の10年間の探索的解析において、キイトルーダは引き続き、局所進行または転移性のNSCLCに対し化学療法と比較してOSを延長した。
◆ヘザー・ウェイクリーKEYNOTE-671試験首席治験責任医師(胸部腫瘍内科医、スタンフォード大学医学部教授)のコメント
KEYNOTE-671試験における5年間のベネフィットが全生存期間と無イベント生存期間の両方で認められたことは、ペムブロリズマブによるこの周術期のレジメンが、切除可能な早期非小細胞肺がんの標準治療として引き続き使用できることを裏付けるものである。一貫性のある結果が得られたことは非常に意義深く、早期非小細胞肺がんの特定の患者さんへの介入の重要性が示されている。
◆マージョリー・グリーンMSD研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発部門がん領域担当責任者のコメント
今回の長期データは患者さんとご家族にとって大きな意味があり、NSCLC領域における当社の革新的な歩みをさらに発展させるものである。データでは、早期がんから進行がんにわたって、特定のNSCLC患者さんに対するキイトルーダの長期生存ベネフィットが示された。キイトルーダのさらなる開発を進め、新たながん治療の可能性について期待している。

