大阪・関西万博の英国パビリオンの機材や資材 再利用・再展開で持続的に活用 英国政府

 英国政府は12日、大阪・関西万博で開設した英国パビリオンについて、英国企業ES Global(ESG)が持続可能な解体作業を主導し、モジュールシステムは今後のプロジェクトで再展開され、循環型デザインの実践例として活用されると発表した。
 同パビリオンの機材や資材は、能登半島の「みんなの家」、大阪府内の万博インスパイア企画「demo!expo」、関西エアポートグループへの寄付等により、持続的に活用される。
 持続可能性、イノベーション、さらには英国と日本の継続的な協力関係を象徴する力強い存在となった英国パビリオンは、単なる展示ではなく、英国が持続可能な開発と循環型デザインに真剣に取り組んでいる姿勢の賜である。
 モジュール構造で建設されており、使用後の廃棄を前提とせず、再利用を見据えた設計になっており、可能な限り、機材や資材は返却・再利用・リサイクルされる。業務用厨房機器など多くの運営資産もレンタルで提供されており、使用後は返却・再活用されることで廃棄物を削減し、製品のライフサイクルを延ばす。
 こうした取り組みは、英国が循環型経済に真摯に取り組んでいることを示すものであり、イノベーション、環境責任、ひいてはレガシーという英国と日本が共有する価値観とも結びついている。大阪・関西万博における持続可能性マネジメントシステムの国際規格は、ロンドン2012オリンピック・パラリンピックにおいて新たな持続可能性基準の策定を促したことに端を発する。
 英国パビリオンのレガシーは、英国の万博レガシープログラム「MUSUBI」を通じて生き続ける。MUSUBIは、教育・イノベーション・文化の分野で協力を促進することで、英国と日本の永続的な絆を称える。MUSUBIを通じて、英国は日本の万博レガシーに貢献し続け、日英両国の人々が互いに学び合う機会を提供するため、日本および英国の組織とのパートナーシップを支援・創出する。英国パビリオンの資産を再活用に関する寄付とレガシーへの貢献の主な概要は、次の通り。

◆能登半島の「みんなの家」への寄付:
 ベンチ、椅子、丸型木製テーブル、バーレイの食器、リバティの家具、厨房機器、救急キット、おむつ交換台、アクリル製A4フレーム

◆大阪府内の万博インスパイア企画「demo!expo」への寄付:
 会議・レストラン用椅子、ソファ、本棚、テレビ、会議機器、ロッカー、テーブル、屋外用家具

◆関西エアポートグループへの寄付:
 英国パビリオンの象徴的な赤い電話ボックスをレガシー展示の一部として展示する取組みは、国際的な友情、文化交流、イノベーションという英国と日本が共有する価値を称えるものである。公共空間で万博のレガシーを紹介することで、旅行者に万博の記憶を伝え、環境負荷を減らし、持続可能な再利用を促進する。
 2026年初め頃に関西国際空港で披露セレモニーの開催が予定されており、引き続き協力し取り組んでいく。

◆キャロリン・デービッドソン2025年大阪・関西万博英国政府代表のコメント 英国パビリオンは単なる展示ではなく、私たちの価値観を示す声明であった。モジュール式の設計から持続可能な解体に至るまで、革新性、環境への責任、そしてレガシーへの取り組みを反映している。
 特に誇りに思っているのは、英国の万博レガシープログラム『MUSUBI』が、意義ある協力と寄付を通じて日英の絆を強化し続けていることだ。パビリオンの旅はここで終わりではない。意図した通りに再利用・再展開され、今も生き続けていく。

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