
参天製薬は6日、Webによる2024年度第2四半期決算説明会を開催し、伊藤毅社長兼CEOが中長期成長を期待する薬剤として、「近視進行抑制点眼薬」(4月日本、7月ドイツ上市:リジュセア)や、「緑内障治療薬」(8月中国上市:タプコム、10月日本上市:セタネオ)」を指摘し、「順調に売り上げを伸ばしている」と報告。
その上で「今年度は減収減益を見込んでいるが、来年度以降に成長基調回復する材料が着実に出揃った」と訴えかけた。
2025年度通期連結業績予想は、「今期は売上・利益ともに下半期偏重のため減収・減益幅が通期予想に比べ第1四半期では大きかったが、第2四半期では減収・減益幅が縮小してきいる」と説明し、「期初に発表したコア営業利益予想540億円に対する進捗は順調である」と強調した。
昨年度から出荷停止になっているジクアスLX(ドライアイ治療用点眼剤)は、「製造を再開しており、12月上旬からの出荷を予定している」
参天製薬の2025年度第2四半期業績は、売上収益1379億円(前年同期比5.8%減)、コア営業利益223億円(25.0%減)、営業利益179億円(25.0%減)、中間利益139億円(25.9%減)となった。
リジュセアやアイリーア(眼科用VEGF阻害薬、国内5月発売)などが伸長したものの、薬価改定や、2024年10月から導入された後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養制度等の影響もあり微減収となった。
リジュセアの国内売上収益は4億3300万円。国内浸透状況は、「積極的に本剤を紹介していただいている施設数が600軒程度で、すでに9月末の目標は超えた」
2025年度連結業績予想は、売上収益2940億円(前期比2.0%減)、コア営業利益540億円(9.1%減)、営業利益440億円(6.1%減)、当期利益335億円(6.6%減)。
ジクアスLXの再出荷、中国における一部製品の流通在庫製品の平常化、花粉飛散期におけるアレジオンクリームのさらなる浸透など今期の売り上げドライバーが下期に偏重しているため、「通期予想に対しては、計画通り進捗している」と訴求した。
伊藤氏は、5月に発表した中期経営計画の中長期的な成長施策にも言及し、「順調なスタートを切っている」と言い切った。成長ドライバーの一つで、来年度以降に大きな貢献を見込んでいるリジュセアは、「日本、ドイツで想定通り市場進行がすすでいる。先週に英国で承認され、今後欧州全域で順次発売を予定している」と明言。さらに、「欧州において承認されている近視進行抑制薬はリジュセアのみで、競業環境を鑑みればこの状況は当面続くと考えている」と予測した。
