中外製薬による買収契約締結 レナリスファーマ

 レナリスファーマは24日、中外製薬による買収契約を締結したと発表した。
 同社は、Travereが開発し、米国および欧州においてIgA 腎症の適応症で承認されている「sparsentan」の日本での開発を進めている。買収契約締結に伴い、中外製薬はsparsentanの日本、韓国および台湾における独占的開発権・販売権を取得する。
 レナリスファーマは、クロージング対価150億円に加え、株式譲渡契約に基づく価格調整を反映した金額を現金で受け取る。さらに、sparsentan の承認の進捗に応じた複数のマイルストンにより、最大160億のマイルストン対価、およびsparsentanの日本、韓国、台湾における純売上高に連動する対価を現金で受領する。
 レナリスファーマは、腎関連疾患のアンメットニーズを満たす革新的な治療薬の開発を通じて、日本およびアジアにおけるドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロスの解消に向けて事業を推進してきた。現在、IgA 腎症を主要適応症とするsparsentan の開発を進めており、2025 年10 月にIgA 腎症の国内P3試験において全評価対象症例の主要評価項目データ取得を完了し、2025年第4四半期中にトップラインデータを公表する予定だ。
 また、同月には、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)およびアルポート症候群に対する国内P3試験の開発計画に関して、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と合意している。
 今回の買収契約締結により、希少腎疾患に対する革新的な開発品であるsparsentan を、同領域において卓越した実績と専門性を有する中外製薬が引き継ぐことで、日本およびアジア地域の希少腎疾患患者へのアクセス向上をさらに加速する。

◆BT スリングスビー レナリスファーマ代表取締役会長CEO兼共同創業者のコメント
 レナリスファーマは、海外では承認済みにも関わらず日本では未承認の医薬品が存在する、ドラッグ・ラグの解消を目指して設立された。レナリスファーマでのsparsentanの国内開発と今回の中外製薬とのパートナーシップは、日本およびアジアの患者さんの医薬品アクセスの加速において新しいビジネスモデルの可能性を提供したと考える。

◆島崎竜太郎レナリスファーマ最高開発責任者のコメント
 腎関連疾患における事業基盤と深い知見をお持ちの中外製薬との連携を通じて、PMDA、臨床医、患者さんの期待に応え、1 日でも早くsparsentan をお届けすることに尽力したい。IgA腎症、FSGS、アルポート症候群といった開発プログラムの進展を通じ、希少腎疾患に苦しまれている患者さんへのアクセスを加速させたい。


 

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