大阪医科薬科大学は15日、益田地域医療センター医師会病院(島根県)の齊藤洋司病院長と大畑力益田市医師会長らが3日に同学を表敬訪問し、医師偏在地域での総合診療医育成等の推進を確認したとことを明らかにした。
益田地域医療センター医師会病院は、大阪医科薬科大学病院の臨床研修協力施設となっており、2020年から同院の地域医療研修の修練先として臨床研修医が派遣されている。
当日は、医学部総合診療医学教室鈴木富雄教授と地域医療における総合診療医の重要性と育成について協議を展開。さらに、今年7月にグランドオープンした大阪医科薬科大学病院本館はじめ、病院施設を見学した後、同院の医療総合研修センター森脇真一 センター長と意見交換した。大阪医科薬科大学の佐野浩一理事長・学長とも意見を交換した。
以前より医師が都市部などの一部地域に集中し、地方や特定地域では医師が不足する「地域偏在」が課題となっている。こうした状況は、地方に暮らす患者が十分な医療を受けられないだけでなく、地方で働く医師の長時間労働にも直結している。特に、団塊ジュニアの世代が65歳以上となる2040年には、この問題はより深刻になる。
こうした背景から、2024年より厚生労働省は「新たな地域医療構想等に関する検討会」を設置するなど、地域偏在の是正向けた打開策を検討している。
2024年の厚生労働省「医師偏在指標」で、島根県全体では人口10万人あたりの医師数は全国平均を上回っているが、その多くが県東部に集中しており、県西部では医師不足が深刻化している。益田市においても2040年問題を念頭に、医師不足と高齢化の進行に対して地域医療の維持のために様々な取り組みがなされている。
大阪医科薬科大学では、益田地域医療センター医師会病院への臨床研修医の派遣の他、高知県本山町の町立国保嶺北中央病院、くぼかわ病院、大井田病院、兵庫県の西播磨、中播磨地域への若手医師派遣を展開。専門医のみならず幅広い医療支援を行いながら総合診療医の育成に努めている。
また医学部、薬学部、看護学部では「多職種連携学生実習」を実施し、地域医療における様々な職種の連携を臨地で学ぶことにより、超高齢社会、医師偏在地域での医療に適応できる人材を育成している。
