EP4拮抗薬「ONO-4578」 胃がんP2試験でオプジーボ・化学療法の併用療法により主要評価項目達成 小野薬品

 小野薬品は9日、EP4拮抗薬ONO-4578について、胃がん(食道胃接合部がんを含む)を対象にしたP2試験(ONO-4578-08試験 )の最終解析において、標準治療の一つである抗PD-1抗体オプジーボ、化学療法との併用療法で主要評価項目を達成したと発表した。P2試験の対象は、HER2陰性で化学療法未治療の治癒切除不能な進行または再発の胃がん。
 同試験において、ONO-4578併用群はプラセボ併用群と比較して、統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)の延長を示した。また、安全性上の新たな懸念は認められなかった。同試験結果は、今後の学会で公表する。
 ONO-4578は、小野薬品が創製したプロスタグランディンE2(PGE2)受容体の一つであるEP4受容体に対する経口投与可能な選択的拮抗薬である。がん細胞から産生されるPGE2は、種々の免疫細胞に発現するEP4受容体を介して、がんを排除する免疫の働きを抑制している。
 ONO-4578は、EP4受容体を介したPGE2の作用を抑制し、がんを排除する免疫応答を回復して抗腫瘍効果を発揮することが期待される。三次治療以降の治癒切除不能な進行または再発の胃がん(食道胃接合部がんを含む)を対象としたP1試験において、ONO-4578およびオプジーボの併用療法は、抗腫瘍効果および管理可能な安全性プロファイルを示した。
 小野薬品は、現在、結腸・直腸がんを対象とした国際共同P2試験をはじめとする複数のONO-4578の臨床試験を実施している。
 胃がんは、日本では年間約12.6万人(世界全体で約96.8万人 )が新たに診断されている。胃がんによる死亡者数は、日本では年間約4.3万人(全世界で約66.0万人 )と推定されており、日本では、新規患者数および死亡者数が、いずれも結腸・直腸がん、肺がんに次いで3番目に多いがん腫である。
 HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する一次化学療法の標準治療は、抗PD-1抗体と化学療法の併用療法が承認されているが、依然として治癒が困難であり、同疾患の患者に新しい治療選択肢が必要とされている。

タイトルとURLをコピーしました