参天製薬は9月30日、RemeGen社の「RC28-E硝子体内注射剤」について、中国の医薬品審査評価センター(CDE)に糖尿病黄斑浮腫(DME)を対象とした生物製剤承認申請(BLA)が正式受理されたと発表した。
同剤は、血管内皮増殖因子(VEGF)と線維芽細胞増殖因子(FGF)を標的とする二重特異性融合タンパク質で、今回のBLAは、中国医学科学院 北京協和医学院病院が主導したP3相多施設共同無作為化二重盲検実薬対照臨床試験に基づくもの。
同試験の被験者は316名で、RC28-E 2.0 mg投与群とアフリベルセプト2.0 mg投与群に1:1の比率で無作為に割り当てられた。
主要評価項目として、52週時点における試験眼の最高矯正視力(BCVA)のベースラインからの平均変化量を設定した。RC28-Eは、1回につき2.0mgを0週~16週まで4週ごとに(合計で連続5回)、その後は48週まで8週ごとに硝子体内注射で投与された。
結果として、RC28-Eは対照薬であるアフリベルセプトと比較して非劣性が示され、事前に設定した主要評価項目を達成するとともに、良好な安全性および忍容性プロファイルが確認された。
DMEは、糖尿病患者に頻繁に見られる重度の目の合併症であり、労働年齢層における視覚障害と失明の主な原因の一つである。病理学的特徴は、視力の中心を担う黄斑の浮腫で、視力低下や物がゆがんで見えるなどの症状が現れる。中国では、DMEの患者数は570万人に上る。さらに、2021年の中国国内の糖尿病患者数は、1億4000万人と推計されている。
2025年8月、参天製薬は、RemeGen社とのライセンス契約に基づき、RC28-Eを開発、製造、販売する権利を取得した。RC28-Eは、VEGF/FGF二重特異性融合タンパク質であり、VEGFとFGFそれぞれの受容体との結合を同時に阻害する。RC28-Eは、網膜疾患である糖尿病黄斑浮腫(DME)、滲出型加齢黄斑変性(wAMD)、糖尿病網膜症(DR)の治療薬として臨床開発が進められている。RemeGen社は、2026年半ばにwAMDへの適応について中国でBLA申請する予定である。