今後5年間で米国の研究開発・製造に300億ドル投資 GSK

 GSKは29日、米国における研究開発とサプライチェーンのインフラへ今後5年間で300億ドル投資すると発表した。今回の投資は、GSKが持つ強力なイノベーションと米国に有する製造拠点と能力を拡大し、米国で製品の開発・製造を進めるためのもの。
 この一環として、新規の次世代のバイオファーマ工場と研究所を米国に建設するために、高度な製造施設およびAI、そして高度なデジタル技術へ12億ドルを新たに投資する。
 12億ドルの投資によって行う内容は次の通り。

・呼吸器疾患(COPD、喘息)およびオンコロジー(血液がん、婦人科がん、肺がん、その他固形腫瘍)領域の新薬を提供するため、バイオ医薬品の製造へ柔軟に対応できる新たな工場をペンシルベニア州アッパー・メリオンに建設。2026年に着工予定

・4つの州(ペンシルバニア州、ノースカロライナ州、メリーランド州、モンタナ州)のGSKが有する既存の5つの製造施設に、新たなAIと高度なデジタル技術を導入

・原薬の製造拠点を新たに創設

・デバイスおよびオートインジェクターの開発、製造、組立ての技術向上および拡充

 GSKは、今後5年間で米国に対する300億ドルの投資を行い、GSKが持つ米国のサプライチェーン全般に対する設備投資に加え、研究開発における医薬品の創薬、開発および臨床試験への投資を増加させる予定だ。 これにより米国は、GSKが実施する試験、施設および臨床試験参加者の数において世界で首位に立つことが予想される。
 今回の発表は、GSKが過去12カ月間に米国の製造分野に対し約20億ドルの新規投資を行ったことを示している。2024年10月に、ペンシルバニア州マリエッタにあるGSKの工場で8億ドルを投じて新施設の建設が開始され、これにより工場の規模と生産能力が倍増する。これらの製造拠点への新規投資によって、米国におけるGSKの従業員規模が約1万5000人に拡充され、高度な技能を有する数百人の雇用が(建設に関する雇用とは別に)創出される。
 GSKのグローバルサプライチェーンは昨年、17億パックの医薬品と4億回分を超えるワクチンを届け、2030年までに25億人の健康に貢献するという目標に向けて大きく前進した。

◆エマ・ウォルムズリーGSK最高経営責任者のコメント
 英国と米国が長年にわたり共有してきた重要な関心事項として、生命科学の進展を通じて疾患に先手を打つ取り組みがある。今回の公式訪問は、科学と医療の革新において世界をリードしてきた2カ国を結びつける重要な機会である。
 我々は両国に深く関わる存在であることを誇りに思う。ここ英国では、重要な製造拠点への投資を継続しており、毎年15億ポンド以上を研究開発に投資している。さらに、今後5年間で米国に少なくとも300億ドルを投資することを決定し、同国における強固な研究開発体制およびサプライチェーンを更に強化する。今回の発表に含まれる12億ドルは、AI、先進技術および専門人財を活用した、次世代のバイオ医薬品の製造へ柔軟に対応できる工場の建設に充てられ、新しい呼吸器およびオンコロジー領域の治療薬を米国の患者さんに届ける。

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