
富士フイルムは25日、同社子会社でバイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO)のフジフイルム バイオテクノロジーズが、米国ノースカロライナ州ホーリースプリングス市で建設を進めていた大型バイオ医薬品製造工場を開設したと発表した。
開所式は、現地時間9月24日に開催され、米国の連邦・州・市の行政関係者や地元の教育関係者、建設工事関係者、顧客企業の来賓など多くの人々が出席した。
新工場は、本年中に、米国新拠点の第一次投資設備である2万リットル動物細胞培養タンク8基の本格稼働を開始する。さらに、2028年には同規模の培養タンク8基を追加することで、北米におけるバイオCDMO拠点として最大級の原薬生産能力を有するようになる。
米国新拠点は、拠点間の迅速な技術移管、高い品質の確保、ならびに建設のリードタイムの短縮を実現するために、高い生産性と各種認証取得実績があるデンマーク拠点と設計・設備・品質管理システムを共通化するアプローチ(kojoX™(コ―ジョーエックス))で建設を進めている。
総額32億ドルを投資して建設を進めている本拠点では、原薬製造に加え、製剤の受託も可能で、2026年には包装工程まで含めた一貫した受託体制が整う。
現在680名の従業員が勤務しており、2031年までに計1400名を雇用する計画である。また、持続可能性への取り組みとして、北米の富士フイルムグループ全拠点で導入するバーチャルPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)を通じた再エネ電力証書の購入により、米国新拠点での電力使用によるCO2排出量は100%相殺され、実質的にゼロとなる。 富士フイルムグループCSR計画「Sustainable Value Plan 2030」で掲げている2040年度までに自社が使用するエネルギー起因のCO2排出を実質ゼロにするという目標の達成に貢献する。