国内初の非小細胞肺がん経口治療薬「ヘルネクシオス錠」 製造販売承認取得 日本ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは19日、「ヘルネクシオス錠」について、非小細胞肺がん経口治療薬として製造販売承認を取得したと発表した。
 対象は、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん。ヘルネクシオスは、同適応症に対する分子標的薬として、国内初の経口薬となる。
 同承認は、HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能または転移性の固形腫瘍患者を対象に、ヘルネクシオス錠の単剤療法として評価したP1相非盲検用量漸増試験(用量の確認と拡大を含む)Beamion-LUNG-1(NCT04886804)結果に基づくもの。
 同験では、活性型HER2遺伝子変異陽性の進行性または転移性の固形腫瘍や非小細胞肺がん(NSCLC)の患者75名を対象に、ヘルネクシオス錠の単剤療法を評価した。
 治療歴のある患者における客観的奏効率(ORR)は71%(95% CI: 60-80)で、完全奏効率(CR)は7%、部分奏効率は64%であり、病勢コントロール率(DCR)は96%であった。
 さらに、ヘルネクシオス錠は、治療歴のある脳転移を有する患者(評価可能な人数、n=27)で頭蓋内奏功を示し、奏効率は41%、DCRは81%であった。
 TKD変異を有する患者(n=75)において最も多く報告された有害事象(AE)はグレード1の下痢(48%)であり、グレード3以上の治験薬との因果関係のあるすべての有害事象は17%であった。

◆荻村正孝日本ベーリンガーインゲルハイム代表取締役医薬事業ユニット統括社長のコメント
 今回、HER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを対象とした初の経口の分子標的治療薬としてヘルネクシオス錠の製造販売承認を取得できたことを大変嬉しく思う。治療の選択肢が限られている患者さんに、一刻も早く新たな治療選択肢を届けるべく、開発ペースを引き上げながら取り組んできた。当社は、注力領域の一つとして今後もオンコロジー領域に従事していきたい。

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