アステラス製薬は19日、「アイザベイ硝子体内注射液」について、萎縮型加齢黄斑変性(AMD)における地図状萎縮(GA)の進行抑制を効能・効果として、製造販売承認を日本で取得したと発表した。
重篤かつアンメットメディカルニーズが高く、患者数が少ない疾患等を対象とする「医薬品の条件付き承認制度」のもと、アイザベイは製造販売承認申請から7カ月で承認を取得し、上記適応症において日本でファーストインクラスの治療薬となる。
GAは、萎縮型AMDの一病態であり、不可逆的な視力低下を引き起こす可能性がある。日本では、約10万人が罹患していると推定されており、適切なタイミングで治療を受けない場合、患者の66%が失明または重度の視覚障害に至る可能性があるとされている。
GAを伴う萎縮型AMDは、患者の日常生活や精神的健康に重大な影響を与える疾患だ。補体因子C5阻害剤であるアイザベイTMは、網膜細胞の変性を引き起こす補体系の活性を低下させることによりGAの進行を遅らせ、視覚障害の抑制が期待できる。
ACPは、GAを伴う萎縮型AMD患者を対象にACPの安全性と有効性を評価した臨床試験(GATHER1、2試験)において、偽処置対照群と比較して、ACP投与群ではGAの進行速度を統計学的に有意に抑制し、主要評価項目を達成した。
ACPの投与後1年間のGA進行の平均速度は、GATHER1試験で35%、GATHER2試験で18%減少した。また、ACPによるGA治療効果は投与後6カ月から観察され、GAの進行速度の抑制効果は、2年間にわたって持続することが確認された。
同試験のデータは、ACPが良好な安全性プロファイルを有することを示しており、副作用により治療を中止した被験者は2%未満であった。
アステラス製薬は、アイザベイを一日も早く患者に提供し、アンメットメディカルニーズの高いGAを伴う萎縮型AMDの治療に貢献していく。なお、同件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2026年3月期)連結業績予想に織り込み済み。