ウパダシチニブ 国内で若年性特発性関節炎に対する適応追加承認申請 アッヴィ合同会社

 アッヴィ合同会社は12日、ウパダシチニブについて、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎に対する日本での適応追加承認を申請したと発表した。
 対象は、既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(pcJIA)。
 ウパダシチニブは 1 日 1 回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、現在、関節リウマチを含む8つの適応症に対する治療薬として承認を取得している。
 今回の申請は、日本を含む国際共同P1試験であるM15-340試験 および 海外試験であるM16-049試験の結果に基づくもの。
 若年性特発性関節炎(JIA)は自己免疫疾患の1つであり、指定難病である。16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎だ。
 国際リウマチ学会(ILAR)の分類基準では7つの病型に分けられており2、このうち、疾患経過中に5つ以上の関節が罹患する原因不明の関節炎がpcJIAと定義されている。
 これには通常、「全身型(全身症状を伴わない)」、「進展型少関節炎(型)」、「 リウマトイド因子陰性多関節炎(型)」、「リウマトイド因子陽性多関節炎(型)」が含まれる。pcJIAはJIA全症例の約30%を占めると言われている。
 pcJIAを含む全てのJIAサブタイプにおいて、機能障害、発育障害のリスク、関節変形および長期的な障害が認められる。典型的な症状には跛行、起床時のこわばり、四肢を含む活動レベルの低下、関節腫脹、繊細な運動の困難さなどがある。
 青少年のJIA患者ではうつ症状がよく見られ、特にpcJIAでは疼痛と障害の悪化を伴う。pcJIA患者の45%超では成人期まで活動性疾患が持続し、長期の身体活動制限によって生活の質に著しい影響を与える。
 現在のところ、JIAの根治療法はなく、JIA患者の主たる治療目標は臨床的寛解であり、特に長期間罹患している患者では低疾患活動性を代替目標としている。
 pcJIAの治療は、生物学的製剤療法の導入により顕著な進展がもたらされたが、多くの患者では依然として寛解または低疾患活動性が達成されず、治療に対して忍容できなくなる、または時間の経過とともに反応性が失われる場合がある。
 小児患者にとって望ましい投与経路である経口製剤を含め、JIA治療のための有効で忍容性の高い新規治療選択肢に対するアンメットニーズが依然として存在する。こうした状況を背景に、アッヴィはウパダシチニブのpcJIAに対する適応追加を申請した。

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