
薬剤師国家試験予備校のメディセレは11日、大阪市内の同校スクールで韓国医学系学部指定教育院の江南スカイ語学院と「韓国人留学生サポートのための教育提携」の調印式を実施した。
同教育提携は、韓国から日本の薬学部への留学希望者を対象に、江南スカイ語学院が韓国で日本語と薬学の基礎教育を行って日本の大学に合格させ、入学後はメディセレが留年することなく卒業し、日本の薬剤師国家試験に合格するまで継続的にサポートすることを目的としたもの。
韓国における薬学部入学者は、全学生のわずか1%と非常に狭き門となっている。こうした中、韓国の薬学部入学希望者には、日本の薬学部に入学して日本の薬剤師資格を取得した後、毎年7月実施の韓国での薬剤師予備試験合格を経て、翌年1月の本試験にパスして韓国で薬剤師資格を得るルートも開かれている。同ルートは、日本と韓国の両国で薬剤師資格を取得できるため、希望する国で就職できるというメリットもある。
江南スカイ語学院は、北海道医療大学、北陸大学千葉科学大学など日本の9大学と提携して毎年約30名の学生を送り出しており、95%が安定的に進級し、その内90%が日本の薬剤師国家試験に合格している。
その後の進路は、約半数が日本で、残りの半数が韓国で薬剤師として活躍している。現在、江南スカイ語学院から送られた韓国からの薬学生(1年から6年生)数は、全国で約280名に上る。
ちなみに、江南スカイ語学院以外の韓国からの薬学生は、日本へ留学後のサポートがないため、約90%が留年しているのが現状だ。雀根澤江南スカイ語学院院長は、「今回の国家試験合格率NO1のメディセレとの提携により、当院から送り出した留学生は留年すること無く卒業し、薬剤師国家試験を合格するまでフォローしたい」と強調する。
調印式では、児島恵美子メディセレ代表取締役が、「韓国の学生が日本の薬学部に入るには、言葉や勉学の壁がある。こうした学生達を早い段階からサポートするために今回の教育提携に至った」と提携趣旨を説明。その上で、「薬学の知識を持った素晴らしい人材が一人でも増えるように江南スカイ語学院とより良い関係を築いていきたい」と抱負を述べた。
一方、雀江南スカイ語学院院長は、「新型コロナを通じて、疾患には国境が無いことを知り、韓国と日本の協力の重要性を再認識した。今回の教育提携により、韓国で薬剤師を目指す学生達により確実に手を差し伸べることができるよう尽力したい」と決意表明した。