JCRファーマとGM2ガングリオシドーシス治療薬「JR-479」の海外事業化実施許諾契約等締結 メディパル

 メディパルは8月29日、JCRファーマとJCR が開発中のライソゾーム病の一種であるGM2ガングリオシドーシス治療薬候補「JR-479」の海外における事業についての実施許諾契約および日本における共同開発・商業化契約を締結したと発表した。
 同疾患は、ライソゾーム病の一種であり、遺伝子変異により、GM2ガングリオシドのライソゾームにおける加水分解が障害され、主として神経細胞のライソゾームにGM2ガングリオシドが蓄積する疾患であり、変異遺伝子によって、テイ・サックス病、サンドホフ病などに分類される。 GM2ガングリオシドーシスは、世界での罹患率が30万人に1人と推察されている超希少疾患で、現在までに承認されている治療法は世界においてない。
 JR-479は、2021年に日本でムコ多糖症II型(ハンター症候群)の治療薬として承認されたイズカーゴ点滴静注用10mgにより、臨床的に実証された J-Brain Cargo技術を適用した新薬候補物質だ。
 JCRが実施した非臨床試験においては、JR-479が静脈内投与で中枢神経系を含む全身に送達され、同疾患の原因基質を減少させることが確認され、延命効果がみられた。
 同実施許諾契約により、メディパルは、JR-479の日本を除く全世界において、臨床開発、製造および販売などの事業化に関する再実施許諾権付独占的実施権を取得する。
 また、同共同開発契約により、メディパルは、日本におけるJR-479の臨床開発以降の治験薬の配送や疾患啓発、ならびに臨床試験実施等の協力などを行い、売上高に応じた一定の収益を受け取る可能性がある。両契約によりJCRは、契約一時金ならびに日本を除く全世界において売上高に応じたロイヤリティを受け取る可能性がある。また、日本においては販売を担当し売上を計上する。
 今回の契約は、2022年10月より両社で開始した超希少疾病用医薬品開発への取り組みに、新たに JR-479を追加するもので、両社の提携はフコシドーシスを対象疾患とするJR-471、ムコ多糖症IIIB 型を対象疾患とする JR-446に次ぐ3品目目となる。
 なお、同件に関する今期(2026年3月期)の連結業績への影響は、両社ともに連結業績予想に織り込み済みである。

タイトルとURLをコピーしました