慶應義塾大学予防医療センターと腸内環境解析活用人間ドックサービスで連携 Noster

 Noster(本社:京都府向日市)は、本年7月より、同社が開発した腸内細菌とその代謝物を高精度に解析する技術を、慶應義塾大学予防医療センターの人間ドックサービス「パーソナライズド・ドック」のメニューに一部導入した。同新技術により、腸内環境を基にした体質や疾患リスクの可視化と個別化された健康サポートが可能になる。
 この革新的なサービスは、最先端の腸の科学を日常の健康維持に応用する重要な一歩となる。腸内環境に基づいた健康状態や疾患リスクを可視化することで、次世代の個別化ヘルスケアを提供する。

腸の科学から現実の健康支援へ

 NOSTERは、ポストバイオティクス研究と独自のオミクス解析の専門性を活かし、世界の臨床医と連携しながら予防医療の可能性を広げている。疾病の兆候が現れる前に、自身の健康状態を理解し、適切に管理できるよう支援することが同サービスの目的である。

腸と健康をつなぐ革新的技術

 人間の腸内には、1000種以上、100兆個以上の微生物が存在し、これらは栄養素を代謝して「代謝物(メタボライト)」と呼ばれる化合物を生成する。近年、この腸内細菌や代謝物が免疫調整、体重管理、炎症制御などに大きく関与していることが明らかとなってきた。

NOSTERの独自技術による糞便解析

 腸内細菌叢の解析では、高度なDNAシーケンス技術により、腸内細菌の種類とバランスを評価し、免疫力、アレルギー傾向、体質などの把握につなげる。
 腸内細菌代謝物(ポストバイオティクス)の解析では、短鎖脂肪酸やアミノ酸由来化合物など、腸内細菌が生み出す主要代謝物を測定。疾患リスクの評価や生活習慣の改善に役立つ指標を提供する。
 解析結果は、医師と共同で開発された健康チェックレポートとしてまとめられ、医師から直接レポート内容の説明、個別の健康リスクとその対策についての具体的なアドバイスを受けられる。
 プロバイオティクスやプレバイオティクスに加え、NOSTERは近年注目されている「ポストバイオティクス(腸内細菌が生み出す代謝物)」の役割に注目し、この分野の実用化を先導している。
 NOSTERでは「腸内菌叢と生命をつなぐ」をビジョンに掲げ、腸内細菌やその代謝物を活用した創薬や解析サービスの開発に注力している。
 一方、慶應義塾大学予防医療センターは、「予防医療」という観点から病気になる前に健康上のリスクを見つけ、健康長寿社会を実現することを目指している。
 今回の連携では、最新の技術を活用し、病気の早期発見やリスク軽減を目指すサービスを提供し、人生100年時代を健康的に生きるためのサポートを実現する。NOSTERのヘルスケア解析サービスの内容は、次の通り。

1、 腸内細菌叢解析サービス
 DNA解析により腸内細菌の多様性とバランスを評価し、個別の食生活・生活習慣改善アドバイスを提供する。

2、腸内細菌代謝物解析サービス
 短鎖脂肪酸、アミノ酸代謝物、脂質代謝物など、NOSTER独自のデータベースに基づいた代謝物を解析。生活習慣病(例:肥満、糖代謝異常)のリスク評価と改善戦略の提案を行う。両サービス共医師の監修のもとに開発を行っており、科学的かつ実用的な健康情報を提供する。

       Caption:腸内細菌・代謝物が私たちの健康に影響を与える概念図

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